「青書」はまた、去年卒業した大学生の賃金についても調査しました。その結果、去年卒業した大学生の平均月給は2815元で、一番高いのはフランス語専攻の卒業生、平均月給は4556元です。一番低いのは教育学専攻の卒業生で、月に2491元しかないということです。(平均月給は2800元前後なら、日本円の3万5000円程度ですね。北京に暮らすとすれば、それは確かに少ないですね。)
また、驚いたことに、卒業して半年後、失業率の一番高い専攻はなんと臨床医学です。その次は、法律、美術、音楽となっています。医学関連の仕事なら、博士や修士課程を終えた院生の卒業生もいっぱいいるので、それに比べて、大学本科生の競争力は確かに劣るようですね。また、大学卒業生のうち、22%の人は北京、上海、広州のような大都市での就職を諦め、中小都市へ行く傾向が出ています。特に、男性が多いです。中国では、地方によって格差もずいぶんありますね。北京や上海、広州のような大都市では、仕事のチャンスや給料は中小都市より多いですが、生活コストは高いし、競争も激しいですね。でも、なぜ、男性のほうが女性より、進んで大都市での就職を諦めているんですか。これは中国の伝統的な考えによるものでしょう。中国では、結婚するなら、マイホームやマイカーなどは男性が用意するのは一般的です。ですから、大都市では、男性は女性よりもっと大きな生活のプレッシャーを抱えていると見られています。
でも、最近、マイホームやマイカーどころか、披露宴や結婚指輪もないという「裸婚」が流行っているんじゃないんですか。昔から伝わってきた伝統は確かに影響力は大きかったですけど、人の考え方も現実に合わせて変わってもいいと思うんですけど。
また、この「卒業生青書」を見ていて、もう一つ面白い発見がありました。それは去年の卒業生のうち、月給9000元以上の人も北京、上海、広州のような大都市を離れる傾向にあることです。月給が高いということは、能力も高いということですね。このような人材は、海外への就職志向を持ってります。彼らの一部は世界一流の大手企業に入っています。自分の能力を生かしてキャリアを磨くため、海外へ勤務したり、むしろ留学しようと思っている人が多いんです。所謂インターナショナルパーソンになりたがっていますね。能力が高ければ高いほど、選択肢も多くなるんですね。人材の流出も問題となりそうですね。
さて、社会人になって初めての仕事、給料がいくらかというこよより、どんな技能や知識を身につけるのか、人との付き合いやコミュニケーションによって、自分の柔軟性を高めるノウハウを覚えることが大切ですね。やってみて、初めて見えることもありますし、学生と違って、好きな人だけつきあえばいい、というものではありません。まずは自分のことを客観的に知るほうが重要ですから、慌てないでほしいですね。いろいろと考えて覚悟した上、行動力も重要ですね。若いうちに、いろんなことにチャンレンジしてみないと、本当の自分も見つからないでしょう。(エーリン 「イキイキ中国」より)
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