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蒙古族の新婚帰省式

2011-02-17 12:56:44     cri    

 今年の春節は、那思瑪さんの妹さん、南思卓瑪さんの新婚帰省式も行われました。蒙古族の新婚帰省式は、結婚したばかりの新婚さんが初めて、新婦の実家に戻ることを指します。那思瑪さんの妹さん南思卓瑪さんは、ちょうど春節の前に結婚しました。新郎は同じ蒙古族の男性、斉木扎布さんです。今年の春節、那思瑪さんは両親を内モーコ自治区から北京へ迎えました。そして、家族揃って春節を祝い、南思卓瑪さんと斉木扎布さんの新婚帰省式を行いました。南思卓瑪さんと斉木扎布さんは既に北京に定住していますので、新婚帰省式は南思卓瑪さんの実家に里帰りする代わりに、南思卓瑪さんのご両親を北京に迎えて行われました。新郎の斉木扎布さんにとっては、ちょっとプレッシャーだったようです。斉木扎布さんの話です。

 「結婚してすぐに春節を迎えましたので、新春祝いの準備など大変忙しかったです。新婚の甘い気分なんか、ぜんぜんありませんよ。平日と変わりなく過ごしてしまいました。また、義理のお父さんに会うのかと思うと、ついつい緊張しますしね」。

 南思卓瑪さんと斉木扎布さんの新婚帰省式を祝うため、那思瑪さん一家は皆、民族衣装を身にまといました。蒙古族の民族衣装は「チャイナドレス」とよく似ています。もっと詳しく言うと、蒙古族の女性の民族衣装には未婚者と既婚者の区別があります。結婚した女性の衣装は肩の部分が張り出して「旗肩」が付いていますが、未婚の女性にはこれがありません。

 また、新婚帰省式の時、蒙古族は必ず新婦のために羊の胸肉の煮込みを用意します。羊の胸肉の煮込みは蒙古族にとってお客さんをもてなす最高の料理です。新婦は嫁にいってから、もう自分の娘ではなく、他の人の家族になったので、帰省のときはお客さん扱いとなります。しかも、蒙古族にとって、羊料理は何よりも美味しいご馳走で、特に羊胸肉の煮込みは子孫の繁栄をもたらす縁起のいい食べ物とされているので、新婚帰省式の時には、必ず新婦に用意されるものなんです。

 家族の暖かい愛情を受けた南思卓瑪さん、懐かしい思いを募らせているのか、新しい生活への期待に満ち溢れているのか。複雑な心境になっているようです。南思卓瑪さんのコメントです。

 「5人兄弟のうち、姉はもうお嫁に行っているし、3人の兄も結婚しました。私は末っ子で、今回、嫁入りしました。他の家族の一員となったので、親の前で甘えたりするチャンスが少なくなったのはちょっと寂しく思います。」

 自分の居場所がちょっとなくなったようですね。でも、家族全員揃って自分の新婚帰省式を祝ってくれるなんて、南思卓瑪さんは本当に幸せですね。どの民族にとっても、結婚は人生における一大事なんですね。特に娘が嫁に行く時、娘もそして、親も気持ちは複雑でしょう。でも、蒙古族のように嫁に行った娘をこんなにきっちりとお客さんとして取り扱う決まりがあるのは珍しいです。那思瑪さんの話では、伝統的な蒙古族の新婚帰省式では、新婦が実家に戻る時、両親以外のすべての家族は家の外へ出て出迎えます。遊牧民族の蒙古族は昔草原のあっちこっちで放牧し、お嫁に行ってしまった娘もあまりご両親と会えないからこそ、新婚帰省式が盛大に行われるのでしょうか。

 実は那思瑪さんとはずっと前からの知り合いなんですが、普段は本当に普通の都会人とは何の変わりも見えない女性です。今回、その家族と一緒に春節を祝って、都会生活に左右されず、蒙古族の伝統を大切にする素朴な生き方に感動しました。皆で家族の年長者を祝ったり、料理を食べる前にまず祖先を祭ったりすることや、若者たちは簡単なゲームを興味津々に楽しんでいることなど。蒙古族って、本当に素朴な人間性と民族性がありますね。(おわり「イキイキ中国」より)

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