香港の船舶が釣魚島に向かい、14人の人々が日本側に拘束されたことを受けて、中国外務省の秦剛報道官は15日の記者会見で「中国は事態の成り行きに注目している。中国側の人々の身の安全や財産の安全を脅かすいかなる行動も取らないよう日本側に求めた」と強調しました。その後、中国の傅瑩外務次官は、日本の丹羽宇一郎中国駐在大使を外務省によび、また、日本の山口壮外務副大臣に電話をかけ、このたびの事件について厳正な申し入れを行ないました。傅瑩外務次官はその際、釣魚島とその付属島嶼に対する中国側の主権を改めて強調した上で、以上14人の中国公民の安全を確保し、その無条件の即時釈放を求めました。
そこでこの時間はこのことについての当放送局記者のリポートをご紹介しましょう。このリポートは次のように書いています。
香港の船舶「啓豊2号」は15日に釣魚島付近に到着し、活動家7人が船から泳ぐなどして釣魚島に上陸し、中国の国旗を掲げました。この7人のうち、2人はすぐに船に戻りましたが、島で待機していた沖縄県警の警察官が残った5人を拘束したのです。さらに、船に戻った2人を含む9人も拘束されました。この9人は、活動家や記者と乗組員などです。こうして船に乗っていた14人全てが拘束されたということになります。
「啓豊2号」は釣魚島から30海里のところで、日本の海上保安庁の巡視船からの警告を受けました。さらに20海里のところでは高圧水の噴射ノズルを受け、さらに巡視船が衝突してくるという妨害を受けたおかげで香港船舶の前の部分は破損し、舵輪も壊れたことから、「啓豊2号」はやむを得ずパソコンによる船の操縦に切り替えたということです。
なお、NHKの報道によりますと、この14人は「入国管理難民法違反(不法上陸)容疑」で逮捕されたもので、海上保安庁の巡視船により16日の午前、那覇市に移送されました。
一方、15日夜、日本の野田首相は、香港の民間団体の活動家らを日本の国内法に基づき厳正対処するよう表明し、藤村官房長官も、これら活動家らが再三の警告を受けたにも関わらず釣魚島に上陸したことは「遺憾だ」としています。さらに日本外務省は中国の程永華駐日大使を外務省に呼び、釣魚島上陸に「強く抗議」しました。
このほど、資金を調達して釣魚島を購入することを叫んでいる右翼の石原慎太郎東京都知事は、今回事件に一層強硬な姿勢を示し、「これら活動家らは不法入国であり、これに対する厳しい処理を求める。今回の行動は釣魚島の購入計画に何の影響もない」としています。
この事件について、香港の民間団体「釣魚島防衛行動委員会」は15日、「啓豊2号」の乗組員の救助を急ぐよう関係各方面に呼び掛けました。また、この団体は、香港市民に事件の最新情報を速やかに伝える態勢を整え、香港の梁振英行政長官も乗組員の身の安全と財産の安全を確保するよう日本側に求めています。さらに、日本駐在中国大使館と共同で事件解決に臨むため、当日夜に日本に代表を派遣しました。
中国リポート、15日に香港の活動家が釣魚島に上陸し、14人が日本側に拘束されたことについてのリポートをお伝えしました。(閣)
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