上海協力機構(SCO)の第10回首相会議が7日、ロシアのサンクトペテルブルクで行われました。国際経済が不安定であるなど複雑な要素を抱えているものの、各国首相は上海協力機構の実務的協力を引き続きしっかりと推進していくことで合意しました。また、中国の温家宝首相は上海協力機構の関係強化について9つの提案を行いました。
今回の首相会議はサンクトペテルブルク近郊で開かれました。雨が降り、気温がぐっと下がり、とても冷え込んだものの、上海協力機構加盟国の首相らは熱心に協議を行いました。会議後、ホスト国であるロシアのプーチン首相はプレスセンターで開かれた記者会見で、「本日、我々はフレンドリーで和やかな雰囲気で、充実した内容の協議を行った。各国首相は多国間協力や人的分野での交流を強めるなど現実的な問題について討議したほか、テロ取締や、麻薬問題などについても立場を協調した。上海協力機構が当面の国際関係において影響力を持つ欠かせない要素となったといっても過言ではないだろう」と話しました。
プーチン首相の発言は、上海協力機構首相会議が関係強化を如何に重視しているかを示しており、これは会議の閉幕後に発表された2つの重要な文書からも窺えます。当日、会議に出席した各国首脳は、共同声明に署名し、交通や通信、技術、省エネ、農業、貿易及び観光など各分野の共同推進プロジェクトを立ち上げる方針を決定しました。
会議で発表されたもう一つの文書は、世界と上海協力機構地域の経済情勢に関する共同声明です。声明は「上海協力機構の枠組内で経済協力を推進することに重要な意義がある。金融分野のネガティブな影響を最小限に抑えることが極めて差し迫った課題だ」として、上海協力機構が実務的な協力を推進する上での願いや具体的な措置などを明らかにしました。
上海協力機構の重要なメンバーとして、中国は地域内の経済協力に取り組んできました。当日の会議では、温家宝首相が関係強化に関する9つの提案を行いました。温家宝首相は、「21世紀はユーラシア地域が全面的な振興と共同発展を実現させる世紀だ。輪番議長国として、中国は各国と共に、政治や経済、金融、エネルギーなどを含む上海協力機構10ヵ年計画の制定と実施に前向きに取り組む」と語りました。
温首相が行った提案には、貨物や資本、技術、サービスの自由な流動を促し、融資協力体制を確立し、加盟国間のマクロ経済金融政策面での協調を強化すること、交通、エネルギー、通信インフラの相互接続を加速し、原子力や太陽光、風力などクリーンエネルギーの利用を推進し、多角化したエネルギー解決策を見出すことのほか、農業や保健、技術、若者の交流などに関する提案が盛り込まれています。
発言の最後に、温首相は、「上海協力機構は、これまでの10年間にしっかりした基盤を固めた。その上で、加盟国の一致団結と弛まない努力により、上海協力機構の向こう10年間の目標と任務は必ず実現し、世界平和と発展のためにより大きく貢献できるに違いない」と語りました。
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