中国の温家宝首相は6日、ロシアのサンクトペテルブルクで開かれるSCO・上海協力機構首相会合の第10回会議に出席します。今回会議では、今年6月にアスタナ首脳会合で達成した共通の認識事項をいかに実施するか、地域経済の発展で実務的な協力をいかに行うかが議論されます。
今年の6月、上海協力機構はカザフスタンの首都アスタナでその発足10周年を記念するため首脳会合を行い、この組織のこれからの10年の方向性を決めました。先日北京で開かれたブリーフィングで、中国外務省の程国平次官は、今回会議で各国首相は、6月の首脳会合で達成した共通の認識事項をいかに実施するかについて議論すると述べた後、「今回の首相会合は、上海協力機構の次の10年の実務的な協力に基礎を打ち、これは上海協力機構の健全で安定した発展とこの地域の繁栄と安定を促すことに重要な意義がある」と述べました。
中国現代国際関係研究院の季志業副院長によりますと、発足して10年経った上海協力機構の各加盟国は、この地域の安全と安定を維持するため、各国間の経済協力とそれぞれの経済発展を促す必要があることを意識するようになりました。
これについて季志業副院長は、「上海協力機構の加盟国の経済の発展レベルがそれぞれ異なる。一部の国では1人あたりのGDPは1万ドル以上に達しているが、一部の国は500ドル以下という状態であり格差がまだ大きい。したがって経済協力を通じて加盟国間の貿易とそれぞれの経済発展を促し、相互の格差を縮めることによってこの地域の調和した安定的な発展を図ることができる」と語りました。
これまでの10年、上海協力機構による地域経済協力には多くの進展が見られました。今、上海協力機構の枠組の下で経済協力と投資に関する協定が30件余り結ばれています。このうち、「上海協力機構多国間経済貿易協力綱要」とその「関連措置実施計画」は加盟国が実務的な協力を行う上での基盤的文書となっています。加盟国の間では、エネルギー、交通、電信などのインフラ整備の分野でプロジェクトが実施されており、金融分野での協力も行われています。
地域経済協力の促進では中国は終始重要な役割を果たしています。季志業副院長は、これについて中国は貿易の発展、資金の提供、大規模プロジェクトの実施などを通じて、この地域の経済協力に貢献しています。
これについて季志業副院長は、「国際金融危機が発生した時、中国は、加盟国に100億ドルの基金を提供した。中国企業は一部の国で高速道路、電力ネット設備と小型水力発電所などのプロジェクトを実施し、一部の国では都市インフラ整備を行った。また、中国企業はこれら加盟国に投資している。中国とこれら加盟国の経済協力活動は、加盟国の経済発展に建設的な役割を果たしている」と話しました。
この地域での協力の見通しについて季志業副院長は「上海協力機構内部の経済協力はさらに実務的な方向に進み、より幅広い分野に向かって発展していくだろう」と予測しています。
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