少数民族を多く有す中国西南部の雲南省は、長年、少数民族の言語と文字の保護に力を入れており、共通語と少数民族言語を併用した学校教育、少数民族文字を使っての非識字者向け啓蒙運動と科学技術の研修などでよい成果をあげています。

　人口5000人以上で古来から定住する少数民族は、雲南省に全部で25あり、少数民族人口は全体で1500万人あまりに達しています。自民族言語を主な交流手段にしている少数民族の数は約1014万人で、中には、共通語が通じないもしくはほとんど通じない人口が600万人前後います。

　雲南省はこれまで、全省で言語と文字の使用状況に関する大規模な全面調査を行っており、各少数民族の言語と文字の分布及び使用状況をほぼ把握しています。このほか、一部少数民族に民族文字の改善と規範化を行ない、「雲南省少数民族言語・文字資源ベース」を立ち上げ、その整備を図ってきました。

　なお、共通語の通じない少数民族が多く暮らす地域では、民族言語と共通語を併用した学校教育や識字運動と宣伝、研修なども行なわれています。（Yan、中原）旅行・文化へ