中国では、2006年から始まった第11期五ヵ年計画が今年で終わります。2011年からの第12期五ヵ年計画を前に、衛生省の責任者張茅氏は、この5年間でおさめた成果を振り返り、これからの5年間を展望しました。
第11期五ヵ年計画期間中、中国の医薬保健事業は大きく進展し、策定した目標を達成しました。
まず、世界に通用している健康評価指標によりますと、わが国の平均寿命は73歳になり、妊産婦の死亡率は10万人あたり47.7人から31.9人に、幼児の死亡率は19%から13.8%に下がりました。
新たな医薬保健改革も進んでいます。2009年4月から現在までの1年半、医薬保健体制で始められた各項目の改革は順調に進んでいます。特に、健康保険制度の整備、基本薬品制度、末端医療サービス体制の整備、基本的公共保健サービスの均等化、公立病院に対する試験的な改革などが挙げられます。
さらに、食品と薬品の安全性の監督・管理、公衆衛生の監督、重大な公共衛生事件と突発自然災害への対応、災害への緊急救助などで、医療機関と医療従事者は大きな役割を果たしてきました。
これらの成績と良好な勢いは、次の五ヵ年計画期間中、さらに深化し、改革を促していくとともに、国民の健康のレベルアップのために良い基盤を築いていることは間違いありません。
保健への資金投入の面では、政府、社会、個人という三者の負担割合も変わりました。2009年のデータでは、政府投入は17%から27%に、社会投入は29%から34%にアップし、一方、個人負担は52%から38%に低下しました。しかし、海外の例を見ると、個人負担として比較的合理的な割合は30%以下で、政府と社会が70%以上負担しています。
医療改革は多くの国が抱えている課題で、突発する公共衛生事件は一つの国では対応できません。
次の五ヵ年計画で、医療改革案を作るときは、実際の状況を踏まえて、今注目されている「なかなか診療が受けられない、診療を受けると費用が高い」という問題を緩和していく必要があります。とはいえ、発展途上国として、能力にあった対策を取らなければなりません。同時に、世界の経験を借りることも重要です。今までは、ほとんど技術における国際協力したが、次の段階では、健康保険制度の改革における協力を強化して、各国の長所を吸収していきます。
さらに、農村部の医療保障政策として、まず、保障レベルを引き上げます。今の保障レベルはまだ低く、一人当たり154元(およそ2000円)にしかならず、大型病院では1回の診療費にもなりません。政府と個人の負担額は、現在まだ検討中です。
さらに、監督管理レベルを引き上げるほか、健康保険への重複加入などを避けるため、健康保険加入制度をより合理化していきます。
新しい五ヵ年計画期間中、農村部における保障体制・新農村協力保障のレベルを引き上げ、国の負担額は今より大幅に増加するに違いありません。(朱丹陽)
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