中国国家発展改革委員会とアジア開発銀行が19日にセミナーを開き、アジア開発銀行の責任者のほか、国内外の専門家、学者を招いて、中国政府が作成している「十二五」(2011~2015年の国民経済と社会発展五ヵ年計画)の政策指針について討議しています。
セミナーで、国家発展改革委員会の徐憲平副主任は、「世界経済は現在安定して、回復する兆しが見えてきたが、全面的な回復までまだ様々な不安要素が存在している。これと同時に、中国国内にも様々な問題が存在している」と指摘しました。徐憲平副主任の話です。
「世界経済が調整期に入り、外需が縮小している中で、長期的に外需に頼る中国の経済成長のモデルと産業構造は、大きなプレッシャーを抱えています。一方で、中国社会の発展が経済に比べて遅れている情況はまだ根本的に変わっておらず、教育や医療、不動産、所得配分、社会保障など生活者の利益に関わる面においては、課題が山積しています」
中国の関係部門は現在、2011~2015年の国民経済と社会発展の五ヵ年計画(十二五計画)を作成していますが、内需の拡大など、中国の長期的な発展に影響を及ぼす内容が盛り込まれる見込みです。徐憲平副主任は次のように語っています。
「第12期五ヵ年計画期間中、内需拡大策を、引き続き経済成長を引っ張っていく戦略としていきます。自主的革新能力を産業構造の最適化とグレードアップを推し進める内的な原動力とします。都市部と農村部の、調和の取れた発展の促進を小康社会(いくらかゆとりのある社会)を全面的に構築する方向とし、国民生活の改善を重視します。また、資源の節約とエコロジーを持続可能な発展を実現するための重要な方策とすると同時に、海外からの導入と海外進出をうまく調和し、対外開放の基準を引き上げていきます」
アジア開発銀行のグリーンウッド副総裁は、中国の将来の政策指針に賛成の意を示しました。第12期五ヵ年計画の実施により、中国の経済モデルが大きく変わることに期待を示しました。グリーンウッド副総裁の話です。
「計画の実施を通じて、中国は長期的に悩んでいる経済構造の制約を解決し、資源利用の最善化を図り、異なる所得レベルの人口及び地域のバランスのとれた発展を確保できます。中国経済が現在の伸び率を維持できれば、10年或いは15年後には、所得水準が中進国以上の国に仲間入りできると予測されています。このため、成長の質を高めるための政策を講じ、経済の共有性、持続的かつバランスの取れた発展を実現させる必要があります」
(周莉)
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