パレスチナのエレカト首席代表は9日、「アメリカの斡旋の下で、パレスチナとイスラエルは4ヶ月にわたる間接的な和平交渉を行う」と発表しました。これは、双方の和平交渉に再び新たなチャンスが訪れたことになります。しかし、双方で食い違っている歴史的な要素や調和不可能な要素などから、和平交渉の前途が不透明だと見られています。
パレスチナとイスラエルの和平交渉は、2008年末にイスラエルがガザ地区に対して大規模な軍事作戦を実施したことで中断されました。今年3月、双方はアメリカの斡旋で間接的な和平交渉を行うと決定しましたが、その間際にイスラエルが突然、東エルサレムに住宅1600棟の建設を発表したことで、今日まで延期されてきました。
今回の発表は、双方が、国内外からの圧力や国際社会の斡旋の下で決定したものですが、平和への道のりは平坦とは言えません。まず、双方には、国境とその安全の問題、更にエルサレム、難民、ユダヤ人入植地などに関する具体的な交渉内容について、依然争いがあります。
また、これらの問題をめぐって、双方は18年間にわたる直接的交渉でこれまで実質的な進展を得られなかったのだから、間接的な交渉で成果を得られるかどうかが懸念されています。
このほか、アメリカは、イスラエルがパレスチナ人の土地で入植地を建設することを禁止する約束をしました。しかし、右翼連立政権にとって入植地建設は政権維持の不可欠な手段であるため、イスラエルはアメリカの提案を受け入れることは難しいでしょう。イスラエルのネタニアフ首相は9日、「近いうちに、直接的な交渉が行われることを期待する」と表明しましたが、ユダヤ人入植地建設問題で再び不適切な行動を取るのではないかと懸念されています。
このことから、いかに自制を保ち、誠意をもって和平のチャンスを逃さず、交渉の成果をあげるかが、今後しばらくは双方の試練になるでしょう。(朱丹陽)
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