パキスタン北西辺境州の州都ペシャワル市で28日、自動車爆弾テロが起き、少なくとも100人が死亡、200人以上の負傷者が出ています。
28日午後1時40分ころ、ペシャワル市にある市場で爆弾テロが起きました。この市場は主として洋服や玩具及びアクセサリーなどを販売しており、被害者の大部分は女性と子供でした。爆発で建物が倒壊し、一部の人が下敷きになりました。
爆弾テロを受けて、パキスタンのザルダリ大統領とギラニ首相はそれぞれ声明を発表し、テロリストを非難すると共に事件捜査を命じました。ザルダリ大統領は声明の中で「このようなテロ行為を許さない。徹底的に排除する」と述べました。また、国連のパン・ギムン事務総長は死傷者がたくさん出たことに怒りをあらわに、「いかなる口実もこのような暴挙の理由にならない」と指摘しました。
事件発生後、国民の治安情勢への不安が高まり、安全を確保するよう政府に要求しました。マスコミは「テロリストの目的は大衆に恐怖感を持たせようとしている」として、勇気を持ってパキスタン国内のテロリストを排除するよう、国民に呼びかけました。多くの民衆は政府のテロ掃討作戦を支持し、テロリストを排除することこそ真の安定と平和がやってくることを信じています。また、同時に、パキスタンの反米意識が高まり、エリート層を含むパキスタン人は、パキスタンがアメリカ主導のテロ取り締まりに対して大きな代価を払ったと思い始めています。
爆弾テロが発生した時間は、アメリカのクリントン国務長官がパキスタン訪問のためイスラマバードに到着した直後でした。パキスタンのクレシ外相との共同記者会見で、クリントン国務長官は「共にテロ脅威に直面している。テロ掃討作戦はアメリカとパキスタンにとって重要だ」として、讃えました。
まだ、この事件について犯行声明が出されていません。これはパキスタン軍が南ワジリスタン地区で行った掃討作戦への報復ではないかという説があります。パキスタン軍の発表によりますと、17日に始まった掃討作戦によって、これまで約270人のテロリストを射殺したことが明らかになりました。しかし、掃討作戦の展開に伴って、タリバンの報復活動も盛んになっています。10月に入ってから、パキスタン国内で起きた爆弾テロによって200人以上の死者が出ています。これに伴って反米意識が高まっています。クリントン国務長官の今回のパキスタン訪問はエネルギーなど多くの面でパキスタンを支援することを発表する一方、その主な目的はパキスタンのテロ取り締まり活動の継続を促し、パキスタン民衆の反米意識を緩和しようとするものです。テロリストがパキスタン各地で爆弾テロを起こす状況の下で、パキスタンのテロ取締り活動は引き続き多くの課題に直面しています。(翻訳:ヒガシ)
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