パキスタンのザルダリ大統領は7日、アフガニスタンへの訪問を終え帰国しました。これは、ザルダリ大統領が去年9月大統領に当選してから、初のアフガニスタン訪問です。これについて世論は、両国関係が新しい時期に入り、テロ取締の連携をより強化されるだろうと見ています。
6日、パキスタンのザルダリ大統領はアフガニスタンのカルザイ大統領の招きに応じて、アフガニスタンを訪れました。訪問期間中、双方はテロ取締、安全、貿易協力などについて深く討議しました。会談後の記者会見で、双方は連携してテロ取締を強化するという決意を明らかにしました。
去年一年間で、アフガニスタン情勢は悪化の一途をたどりました。タリバンなどの反政府武装勢力の活動が活発になり、テロによる犠牲者は5000人を超えました。この原因について、アフガニスタンに駐留するアメリカ軍とアフガニスタン政府は、パキスタンにいるタリバンが武器を提供することにあると見ています。これで、良好な関係を保っていた両国は互いに、国境管理に力が足りないと批判するようになっています。さらに、アフガニスタンのカルザイ大統領は、国境を越えてタリバン武装勢力を取り締まる権利があると、強い姿勢を示しました。
しかし、パキスタンは新政権成立後、アフガニスタンとの関係修復に力を入れています。去年9月、カルザイ大統領は外国の首脳として唯一招待されて、ザルダリ氏の大統領就任式に出席しました。この日双方は、テロ取締の連携強化を確認しました。これは双方が両国関係の特殊性を認識したと共に、テロリズムは共に直面している脅威だと認識したといえるでしょう。
ところで、6日の記者会見で、パキスタンのザルダリ大統領は、国際社会のさらなる支援を求める一方で、「両国の軍隊が国際社会から適切な支援を受けた後、テロを取締る能力を持つようになっただけでなく、ほかの国より優れている」と、外国軍隊の支援を明確に拒否しました。
この理由について、世論は、「アフガニスタン駐留アメリカ軍が去年国境で実施した越境軍事行動に、パキスタン政府と軍当局は非常に不満に思ったためである」と分析しています。アメリカ軍はこの軍事行動で、パキスタン国内にあるテロ関連施設とみなす目標に数10回にわたりミサイルによる攻撃を行ったり、武装ヘリコプターでパキスタンの南部の村に入り、15人を殺害しました。このような他国の主権や領土を無視する行動に、パキスタンは猛烈な抗議をしました。
かといって、こういったアフガニスタンに駐留するアメリカ軍の行動はアフガニスタン側に評価されませんでした。去年末、アメリカはアフガニスタン駐留アメリカ軍を増強して、6万人にすると決定しました。これに対して、カルザイ大統領は、「軍事手段では、アフガニスタン問題を根本的に解決することができないだけでなく、国際部隊の行動はアフガニスタンをさらに困難な状況に追い込むものだ」と、アメリカの決定に反発しました。
これらの動向から、パキスタンとアフガニスタンは、外国の軍の力を借りるのではなく、両国が連携することで自力でテロを取り締まろうとしていると言えるでしょう。
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