中国には、出稼ぎ労働者が数多くいますが、国際金融危機によって、現在、2000万人が失業し、故郷に帰っています。
陳雪嬌さんは、重慶市開県の農民で、中学校を卒業した後、出稼ぎに行きました。陳さんはこれまでにホテルや電子部品工場で働いたことがあります。去年の10月から、都市で仕事が見つからず実家に戻っています。
国際金融危機の影響で中国では多くの企業が倒産しました。特に労働力集約型で高度な技術を持たない企業は大きな影響を受けています。現在、開県には、陳さんのように仕事が見つからずに実家に戻った人が5万人います。
開県の巨竜専門学校では、年齢も異なる出稼ぎ労働者たちが、先生について唐の時代の詩人孟郊の詩「遊子吟」を朗読しています。これは文化的な知識を増やすための授業の一つです。
中国の春節が終わった2月6日、失業中の陳さんはこの専門学校に入りました。電子とコンピュータのクラスで勉強することになりました。この授業は5ヶ月間行われます。陳さんが驚いたのはこのようなクラスでは、学費と宿泊費が一切かからないということだけでなく、月に食事代として2百元が支給されるということです。これは、現地の政府が出稼ぎ労働者を対象に行っている無料教育の一環です。
陳さんが通うこの専門学校のカリキュラムがかなりハードです。毎日朝6時に起きてから体操をします。午前中、技能訓練の授業が4コマあり、午後の授業は体育、音楽と礼儀作法などがあります。夜の2コマは自習です。夜8時に授業が終り、9時に消灯します。現在、この専門学校には調理、溶接、自動車の修理、電子とコンピュータ、ホテルサービスなどのコースが用意されています。これらのコースは出稼ぎ労働者のニーズによって開講されました。これについて、巨竜専門学校の責任者、王行柄氏は、次のように述べました。
「市場のニーズに基づいてカリキュラムを決定しました。これらのコースは実用的です。学生がまじめに勉強すれば卒業後、きっと仕事が見つかるでしょう」
失業中の出稼ぎ労働者にとって、このような職業訓練校を卒業するとこれまでに比べて高い収入が得られるようになります。陳さんの希望としては、卒業後は宿泊先と食事付で月給2000元を求めています。この金額は、これまでの2倍です。開県政府人的資源部の責任者、劉氏によりますと、何か専門的な技能を持っている人にとっては2000元の給料をもらうことはそれほど難しくないとのことです。
「出稼ぎ労働者で、会計や車の運転、電工、溶接などの技術があれば、簡単に仕事が見つかります。こういった技術をもつ労働者を求める企業が多いです。逆に何の技術も持っていない40代以上の労働者は企業から採用されません」
このため、出稼ぎ労働者を対象に職業訓練を行うことが急がれています。これについて、中国社会科学院農村発展研究所の党国英研究員は次のように語りました。
「まずは体制上の問題を解決すべきだ。政府が職業訓練校を運営すると同時に、企業や民間の教育資源を導入すべきです。その一方で、政府が職業訓練校の運営に出資していますが、この資金を効率よく使うことも重要です」(担当:任春生)
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