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5月10日 火曜日

2016-05-10 18:52:05     cri    

一時間目 作曲家・冨田勲さんの死を悼む、「がまだせ!熊本!Tシャツプロジェクト」を取材

担当:王小燕、白昊


 北京では花ショウブや、庚申バラが美しく咲き誇る季節となりました。

 今週の番組は最近届いたリスナーのお便りを紹介するほか、作曲家・冨田勲さんの死を悼む特別企画や北京で開かれた熊本応援イベント「がまだせ!熊本!Tシャツプロジェクト」の様子をお届けします。

 追悼特別コーナー:作曲家・冨田勲さんの去年5月の北京公演を振り返る

 5日、世界的なシンセサイザー奏者で作曲家の冨田勲さんが東京で逝去されました。享年84歳。昨年5月20日、「冨田勲×初音ミク 『イーハトーヴ交響曲』」コンサートが北京で開かれました。中国の大手動画サイト「楽視」がこれをインターネットで生中継したことで1700名余りの来場者のみならず、オンラインで見た数十万人にも深い印象を残しました。

 冨田さん死去のニュースが中国に伝わった後、主要メディアはいずれも報道し、ソーシャルメディアではお悔やみの意味を表す蝋燭マークや、その死を悼むメッセージがたくさん寄せられています。中には、冨田勲作品をもう一度鑑賞しようという流れも静かに起きています。

 冨田さんは1932年4月、東京生まれ。当時紡績会社「鐘紡」(かねぼう)の嘱託医だった父の転勤で、4歳から中国の青島や北京で過ごしていました。北京滞在中、父親に連れられて天壇公園に行き、回音壁で音の反響を聞いた時に受けた不思議な感覚が、のちに音楽家になる原点となった、と本人は振り返ります。


(左)2015年5月、北京天壇公園を10年ぶりに訪れた冨田勲さん (右)「冨田勲×初音ミク 『イーハトーヴ交響曲』」コンサートで壇上に上がって挨拶する冨田さん(前列中央)

 冨田さんと中国との深いかかわりについて、昨年5月26日の「ハイウェイ北京」

 (http://japanese.cri.cn/782/2015/05/26/241s236777.htm)、6月2日の「CRIインタビュー」

 (http://japanese.cri.cn/782/2015/06/02/145s237079.htm)でも紹介しましたが、追悼の気持ちを込めて、去年の北京訪問の時の取材をピックアップしてお届けします。

 最後に冨田さん最後の作品、亡くなる直前まで取り組んでいた新作「ドクター・コッペリウス」のコンサート情報です。

 交響曲 「ドクター・コッペリウス」

 2016年11月11日(金)、12日(土)

 会場:渋谷Bunkamura オーチャードホール

 スペシャルバスケット:北京で熊本を応援、「がまだせ!熊本!Tシャツプロジェクト」

 5月1日メーデーに北京にある日本大使館付近の亮馬橋で「大有東・西」という週末市場が開催されていました。その中の1つのブースには、「がまだせ!熊本!Tシャツプロジェクト」と書かれた看板が掲げられていました。


      週末市場「大有東・西」      がまだせ!熊本!のブース

 熊本地震被災地への応援の気持ちを込めて、1日~2日にわたって開かれたこのチャリティー販売会は、北京にいる日本人留学生などによる企画で責任者は清華大学博士課程の沓名美和さん。


「がまだせ!熊本!Tシャツプロジェクト」北京側のスタッフ。右から2番目は責任者の沓名美和さん

 沓名さんは中央美術学院で2年間留学した後、現在は清華大学美術学院の博士3年生。「再生と芸術」が研究の方向だそうです。当日のブースはもともと、「REVERSE」をテーマに、薬莢をアクセサリーにするカンボジアとの連携プロジェクトを紹介する予定でした。しかし、熊本で地震が発生したのを受け、急遽、ブースの半分を熊本応援コーナーに変更しました。ブースの看板や張り紙は直前に発注し、開催当日にようやく届きました。沓名さんの「間に合ってよかった」とがホットした表情が印象的でした。


「がまだせ!熊本!Tシャツプロジェクト」の看板説明文

 どのような気持ちでこのプロジェクトを行ったのか?どんな人が買いに来てくれたのか?皆さんの気持ちは?現場で取材しました。

二時間目 2冊の出版に寄せた思い~ライター・趙海成さん&原口純子さんに聞く

聞き手:王小燕

 近年、領土や歴史問題の影響で中日の政治的関係は低迷しています。そんな中、生活者の視点から相手国を見つめる2冊の本が相次いで出版されました。

 2013年9月、在中日本人108人プロジェクト【編】による『在中日本人108人のそれでも私たちが中国に住む理由』(阪急コミュニケーションズ)と、これにに続き、2015年3月に出版された趙海成さん著『在日中国人33人のそれでも私たちが日本を好きな理由』(CCC MEDIA HOUSE)です。

 どちらも相手国を拠点に暮らし、あるいは相手国と深くかかわっている方たちにスポットを当てた企画です。異国でたくましく暮らし、仕事している様子、五感で感じた異文化、深く交わりあっていたからこそ知った思いなどが取り上げられています。この2冊は、中国と日本は今、どれだけ太く、深い絆で結ばれているか、その実態を知る上での良い材料でもあります。

 この2冊の本の誕生プロセス、出版に寄せた期待、タイトルの「それでも」に込めた思いなどを伺ってみました。 

 【プロフィール】

 趙海成(ちょう・かいせい)さん

 1955年北京生まれ。

 82年北京対外貿易学院(現在の対外経済貿易大学)日本語学科を卒業。85年に日本に渡り、日本大学芸術学部でテレビ制作を専攻。88年には初の在日本中国人向け中国語新聞『留学生新聞』の創刊に携わり、初代編集長を10年間務める。95年、10か国の在日外国人向け外国語媒体を束ねる「外国人情報誌連合会」代表に就任。

 99年、中国情報を発信する日本の衛星放送事業者、大富の宣伝部長に就任。また、同じく99年には、外国人にかかわる諸問題について都知事に意見を述べる「外国人都民会議委員」に東京都より選出される。2000年、日中合作ドキュメンタリー「シルクロード」の制作に参加。2002年に中国に帰国。以後は日中を行き来しながらフリーのライター/カメラマンとして活躍している。

 原口純子(はらぐち じゅんこ)さん

 ライター・エッセイスト。

 1993年より北京在住。日本の雑誌、機内誌を中心に中国のライフスタイル関連の取材、執筆をひろく手掛ける。著書に『踊る中国人』『中国の買い物キッチン』『中国の賢いキッチン』『北京上海 小さな街物語』『踊る!大北京』『歳時記 中国雑貨』など。好きな中国語は「猫冬(冬ごもり)」。

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