宝石の町と呼ばれる山梨県甲府市は、ドイツのイーダオーバーシュタイン市とならび「世界二大宝石加工の街」と呼ばれるほど、ジュエリー産業が盛んなところです。そこで今回は、研修先のテレビ山梨のすぐ隣にあるジュエリー工房「ラッキーオープンファクトリー」で、ジュエリーが出来上がるまでの過程を見学しました。
まずはジュエリーのデザイン図を描き、それを基に正確に細部まで作りこんだ原型を作成します。これは全ての制作過程の中で最も重要なステップです。
次に、出来上がった原型をゴムに挟み、加熱圧縮してゴムを硬化させます。そして医療用メスで原型を取り出し、ゴム型が完成します。このゴム型にワックスを流し込み、固まったら、ジュエリーのワックスが完成します。
ワックスの原型を幾つか作り、ツリー状にセットします。1つのツリーには、様々なデザインのワックス原型をセットすることができます。ここまでのステップは温度と圧力が決め手となるので、熟練職人の手によって完成されます。
そして、鋳型を製造するため、出来上がったツリーを円形の容器に入れ、石膏埋没剤を流し込み、加熱します。こうすると、ワックスツリーが溶け、その形の空洞が出来上がります。これが鋳型です(写真左から2つ目の空洞のある石膏)。その中にk18やプラチナなどのメタルを流し込み、固めた後、石膏を破砕することで、地金のツリーを取り出すことができるのです。
この地金のツリーから丁寧に各デザインを切り離して整え、宝石を留めて仕上げれば、素敵なジュエリーの出来上がりです!デザインの複雑さにより、複数のパーツを組み合わせて出来上がるものもありますので、職人たちはデリケートなミクロの世界で集中力を要する細かい作業を求められます。壁一面の原型!どれも個性的です。
ラッキーファクトリーで一年に使われる純金の量はなんと200㎏!また、様々な宝石のジュエリーや、武田信玄をイメージした独特なリングシリーズなどもあります。
この他に、とても不思議だったのが、シリカのジュエリー。原石は触るとひんやりとしているのに、氷を置くと見る見るうちに氷がとけていきます!これは、シリカが遠赤外線を長く常温で放射しているからだそうです。このようなジュエリーを身につけると、体が心から温まるらしいです。
こちらは、世界で唯一の「宝石ロード」だそうです。本物の宝石が敷かれていて、使う時は直接取り出しているとか?!
職人たちが繊細な作業を施し作られるジュエリーの製造過程が分かると、今持っているジュエリーが一層可愛らしく見えてきました。皆さんもお手元にあるジュエリーの「成長過程」を想像してみてはいかがでしょうか。
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