10月も半ば、北京の最低気温は10度を下回り、一日ごとに秋の気配が深まっています。

　ここ数日、中国のメディアを沸かせた話題は莫言氏のノーベル文学賞受賞です。木曜日夜、スウェーデン・アカデミーの公式発表を受け、翌日の上海A株市場は取引開始直後から、出版やメディア関連銘柄が一時高騰しました。書店では莫言氏の作品が飛ぶように売れており、出版社は相次いで増刷して読者のニーズに応えようとしています。

　ところで、莫言氏の受賞発表後、1,000万スウェーデン・クローナ（中国元では約750万元、日本円で約1億円）の賞金について、記者からの質問に莫言氏が冗談まじりに答えた回答がインターネットでちょっとした話題になっています。

　使い道は「まだ考えが決まっていない」と言う莫言氏は、このまとまったお金を使えば、北京の市街地に大きな住宅でも買えると思っていたようですが、「今の北京市市街地の物件の相場から考えると、せいぜい120平米ほどの住宅しか買えないのよ」と注意されたようです。それを受け、ウェブサイトでは、「これこそ正真正銘の幻想的リアリズムですね」とコメントが上がり、多くの人を苦笑させました。

　さて、秋が深まりつつある北京からお送りする今週の「経済直行便」、ニュースフラッシュのほか、中国ビジネス最前線では、今週の週始めに広州で開幕した第112回広州交易会の様子にスポットを当てます。

　中国の対外貿易のバロメーターとして知られる広州交易会は、1957年から毎年春と秋の2回開催されていますが、今年の春の交易会は成約額が1年前より4.8%も落ち込むという異例の事態になりました。この秋の交易会は中国経済、ひいては世界経済の回復の状況をリアルに反映するものとして注目されています。はたして現場の様子は？（王小燕）