皆さんは中国の若者に対するイメージはいかがですか。体ががっしりして、日本より一見たくましそうな若者が多いんですが、女性と一緒だと、急になよなよした感じになってしまうんです。また、個性に溢れて、多様化した夢を持っています。興味のある好きなことに対しては情熱いっぱいで、興味のないことなら、全く無関心です。共通点と言えば、インターネットに夢中になっていると言えるでしょう。

　さて、皆さんは、「80後」や「90後」を見たことがあるのでしょうか。これまでの番組で何回も紹介したことがありますが、1980年代に生まれた人は「80後」と言い、1990年代に生まれた人「90後」と言うんです。今日の番組では、中国の「90後」（1990年代生まれの若者）の就職観に迫ります。二人の90後の就職物語をご紹介します。

＜物語1＞自分で起業

　1990年5月に生まれた牛蛍蛍さんは、去年大学を卒業しました。牛さんの趣味はインターネットとテレビゲームです。しかし、社会人になってから、毎月2000元ぐらいの賃金しか貰えず、依然として、親からの仕送りで生活しています。卒業してからの半年間、牛さんは3回も転職しましたが、朝9時に出勤、夜6時に退勤、たまには残業するというふうな仕事生活に慣れず、とうとう実家の浙江省義烏に戻りました。

　そして、親の支援で、インターネットで自分のネットショップを作り上げました。主な商品は洋服やアクセサリーなどです。朝10時に起きて、商品の写真を撮り、インターネットにアップして、クライアントの問い合わせに答えます。夕方になると、宅急便で商品をクライアントに送ります。そして、毎日の営業成績を計算して、残りの商品を整理し、引き続きインターネットでクライアントの問い合わせに対応します。寝るのは深夜２時ぐらいで、一日15時間も仕事するということです。

　「疲れることは疲れますが、自分の選んだ洋服やアクセサリーなどの商品がインターネットで売られて、人に認められることは超嬉しかった」と牛さん。忙しい場合はシャワーを浴びる時間もないんですが、数ヶ月の努力を経て、牛さんのネットショップは毎週2万元の営業成績を上げるようになりました。いま、牛さんは自分の稼いだお金で両親に新しいテレビを買い、お母さんとお姉さんにも新しい服を沢山買ったということです。

　起業は，ネットショップでも、大変なこと。自分の趣味や、好みを大切にする９０後の特徴がよく現れた、成功例と言う感じ。「90後」のほとんどは自由な時間がほしい。決まった時間の出勤生活が嫌のようだ。パソコンやインターネットが得意な彼らにとって、ネットショップを経営することはいい選択かもしれない。でも、どんな職業でも苦労が必要だ。自分の趣味に合うような仕事なら、やりがいが感じられるだろう。

＜物語2＞新世代のホワイトカラー

　1990年8月に生まれた丁瑞さんは、いま、中国のある大手インターネット企業に勤めています。この企業に就職した初めての90後として、丁さんは会社で大きな注目を集めました。でも、なぜこの職を選んだのかという質問に対し、丁さんの答えは「親の命令」だそうです。

　一人っ子の丁さんは小さい頃から親に可愛がられて、小学校、中学校、高校、大学の専門まで、親の意見によって選んだのです。「親はいろいろ経験したから、彼らの意見に間違いはないだろう」と丁さんは言いました。

　いま、両親と一緒に暮らしている丁さん、収入のすべては自分の小遣いだそうです。仕事が終わってから、友人と一緒にビリヤードをやったり、バーやカラオケへ行ったりしています。

　「遠い将来のことは余り考えていません。時代の変化は早すぎるので、沢山考えても意味が無いでしょう。将来、結婚用の部屋はすでに親から用意してもらったから、僕には何の心配もありません」と丁さんは言いました。

　「時代の変化は早すぎるので、沢山考えても意味が無いでしょう」と言うことだが、先はどうなるか分からない！どこか、心の片隅に、『人生の危機管理』の意識は持っていたほうがいいのでは。それは、親の意見ではなく『自分を作っていくということ』かな？確かに生活に悩みのない幸せな世代だよね。でも、ある意味では、仕事も生活も趣味でやっているのは、ちょっとわがままな一面が見られる。今、中国の若者、本当に興味のあることに対しては非常に熱心である一方、興味の無いことに対してはまったく無関心。極端な一面があるから。詳しい内容はぜひ最後までお聞きくださいね。（エーリン）