会員登録

第11回北京モーターショー 取材報告

2010-04-24 18:54:26     cri    


(丹羽さんがCRIニュースラジオの記者のインタビューを受けている)


(第11回北京モーターショーの会場)

 今回は中国国内メーカー江淮、日本メーカートヨタ、韓国メーカー現代の3つのブースを見学した。いずれも、省エネと環境保護を鍵としたテーマ「エコ未来への思い」に準じていた。各ブースの印象を簡単な言葉で説明するならば、中国は「荒削りながら初々しさと勢い」を感じ、日本は「地味な中にも安定感と存在感」があり韓国は「中日の間をうまく併せ持ってはいるがオリジナリティにはやや欠ける」といったところだろうか。ちょうど、中国の江淮と日本のトヨタはブースが向かい合わせだったので比較を行ってみたい。

トヨタ自動車のブース

安徽省の自動車メーカー「江淮」のブース

 広さはトヨタが江淮の3倍ほどであった。どちらのブースでもみることができたのはプラグインハイブリッド車、つまりコンセントで車輌に充電できるハイブリッド車である。トヨタのハイブリッドと言えばご存知プリウスだが、展示車と充電器をプラグで繋ぎ実際の充電の様子を容易に想像できるような展示、そしてVTRでは家庭で太陽エネルギーを利用して100分充電することで十分に機能が果たせるなど総合的なエコ環境機能を解りやすく見せていたのに対し、中国江淮ではコンセプトカーのボディがエコを象徴する緑色に塗られ、更に若々しい双葉のペイントをほどこすことで、環境への優しさをアピールしていた。また、車輌の充電部分に「コンセントのマーク」が描かれていたのは実にユニークだった。しかしトヨタのような具体的な展示ではなく、あくまで「概念」の域を出ていないと受け取れる展示だった。

 モーターショーはただのショールームではなく「魅せる」工夫が必要であるから、その点では中国江淮にはまだまだ研究の余地があると言える。

 ただ、いずれもソフト面での準備は整ったが、実際に街の至る所で充電ステーションが配備されるのはいつの事になるだろうか?そもそも、充電ポイントが整備されないことにはプラグインハイブリッドの良さは生かせない。先ごろのニュースでは山東省の南部に位置する臨沂の焦荘で、山東省初の電気自動車充電施設の建設が始まったという。この充電スタンドへの投資額は2300万元(約3億1568万円)に達しており、完成すると、45台の電気自動車を同時に充電することが可能になる。何事もスピードが速い中国、電気自動車の普及は中国の方が早いかもしれない。

  まだまだ世界の市場の中では中国国産車の認知度は低い。しかし未来の更なる成功を信じてすごいパワーを出そうとしているのが感じられる。江淮の方にお話を伺った際、会社の未来について「ドイツにベンツありと言われるように、中国に江淮ありと言われるようになりたい。」と力強く語っていた。この、勢いという点では全体的に日本は中国におされ気味であるのを感じた。

 さて、車自体の話とは少し角度を変えて、モーターショーという一大イベントに対しての感想であるが、規模も雰囲気も東京モーターショーと比べて遜色無いという気がした。

 ただ、会場にたどり着くには付近に駅が無いので電車は使えない。車で行けば渋滞に巻き込まれる。行き帰りを考えただけで、二の足を踏むような立地には問題が有るだろう。また、会場には規模の割りにトイレが少なく、警備員やエントランススタッフを含むイベント全体の「客をもてなして、出迎える」という意識はまだ薄いのではないだろうか?

 世界最高水準のサービスを誇る国「日本」から来た私にはそう感じられた。その点では、是非、日本から学んでほしいと思う。

 では、最後にモーターショーの華、ショーモデルの話だが、中国の様々な美しいモデル達が車の横でポーズを決めながら彩を添えた。スタイルも身のこなしも堂々としていて爽快なアジアンビューティーを感じた。各ブースのメインモデルはいつ世界に出て行ってもいいと思う。やはり、一番進化が早いのは、中国の女性達かもしれない。(文責:丹羽麻衣子)

 作者紹介:日本語部 丹羽麻衣子 

 私は東京で1991年以来フリーアナウンサーとして活動を始めてから様々な番組やレポート、取材に関わって来ました。その中で自動車、自動車ショーに関する仕事では日本のGT選手権に関する番組を東京武蔵野市コミュニティFM「むさしのエフエム」にて1年間担当しました。番組スポンサーはGT選手権出場チームのスポンサー、カネコでした。

 詳しくはこちらへ>>

関連ニュース
写真トピックス
コメント
今週の番組
今日熱点
快楽学唱中文歌
特集ダイジェスト
LINKS