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中日共演昆劇『牡丹亭』、坂東玉三郎「杜麗娘」を演じる
   2008-05-15 18:55:26    cri




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 日本の歌舞伎界を代表する女形の役者として知られる坂東玉三郎さんは、5月6日から15日にかけて、北京の湖広会館で、中国の蘇州昆劇院の役者とともに昆劇『牡丹亭』を共演しました。

 坂東玉三郎さんはこれまでチェリストのヨーヨーマやダンスのモーリス・ベジャールなど世界各国のアーティストと共演したり、映画に出演したりするなど常にチャレンジ精神を発揮しています。

 今回の経緯について、坂東玉三郎さんは、中国の京劇の女形の役者だった梅蘭芳に憧れて、その息子の梅葆玖さんに京劇を習った際、梅蘭芳がかつて昆劇を習ったことがあることを知って、自分も昆劇を習おうと、蘇州に向かったということです。蘇州で昆劇を習っている間に、坂東さんは昆劇に魅了されて、ぜひ自分で演じようと思ったそうです。

  

  

 昆劇の場合は、役者がせりふを喋るだけでなく歌うこともあります。また、昆劇の歌やセリフは昔の昆山の方言を基礎にしたものなので、今の中国人でも聞いてわからないところもあります。しかも、坂東玉三郎さんは、中国語はほとんどできません。ですから、自分が歌うことを決めてから、坂東玉三郎さんは有名な昆劇の俳優、張継青さんに習い、色々な工夫をして、一年ほど猛稽古を重ねました。共演する江蘇省蘇州昆劇院のスタッフ達はみんな玉三郎さんの勉強ぶりと役者としての気概に感心したということです。蔡少華院長は「玉三郎さんは張継青さんに歌の口の開け方から習った。まず、歌やセリフの日本語訳を書いて、その上に中国語の歌詞やセリフの発音をつけ、そして、旋律をつけた。それを見ながら、録音を聞いていた。さらに、張継青さんが歌ったところやセリフを読むところの口の開け方をビデオで撮って、家でそれを見ながら練習していた。だから、その舞台を見た人は皆、その努力に感動した。特に、そのセリフはとてもすばらしく、短い間にここまでになったことは、玉三郎さんが本当の芸術家であるからだとしか言いようがない」と話しました。

 今回の舞台は、坂東玉三郎さんと中国の江蘇省蘇州昆劇院との協力で実現したものです。まず、唐の詩人、白居易の詩『長恨歌』をアレンジした歌舞伎の演目『楊貴妃』で、玉三郎さんは中国の役者と共演しました。この『楊貴妃』は、昆劇の楽器によって演奏され、歌も中国語で歌われたもです。その次は、昆劇の名作『牡丹亭』に出演しました。玉三郎さんは中国の二人の女形の役者と三人で「杜麗娘」を演じました

 公演が行われた湖広会館は、こじんまりとした舞台ですが、とても古典的な風格がある場所です。坂東玉三郎さんは湖広会館で舞台をするのが十年来の夢だったということです。湖広会館の初代館長で今回の実行委員会の許立仁主任は坂東玉三郎さんとの出会いについて「十年前に親友のキン飛さんの紹介で坂東玉三郎さんと知り合った。その後、玉三郎さんは数回湖広会館を訪れ、自分の愛する梅蘭芳氏がここで舞台をしていたことを聞いて、ぜひこの中国の昔風の劇場で舞台に上がりたいと考えたそうだ」と述べました。

   

  

 実は、この中日共演の『牡丹亭』は3月6日から25日まで京都の南座で20日間上演されました。毎回劇場は観客でいっぱいで、終わった後も、長い間拍手が鳴り止まなかったということです。ところで、坂東玉三郎さんが演じた『牡丹亭』について中国人の観客はどうのように受け止めたのでしょうか。公演の後で、観客に話を聞きました。

 「演技はこれまで見た中で最高でだった。僕は『南方週末』という新聞に載った記事を読んで見に来た。記事では、坂東玉三郎さんが演じる杜麗娘は梅蘭芳の真髄を受け継いだものだと評価していたから。実際に見ると、彼は心で役を演じていて、細かいところかまでその役の気持ちを伝えていた。中国語の発音がまだ少しなまっていることが玉に瑕だったけど。」(男性の観客)

    

「とても感動した。一人の日本人としてこれだけすばらしい舞台を見せてもらって、本当に感動した。とてもよかった。来た甲斐があった。」(若い女性の観客)

坂東玉三郎さんに昆劇を教えた昆劇俳優の張継青さんも初演の前日にわざわざ蘇州から駆けつけてきました。玉三郎さんとの縁やその舞台について、張継青さんは「我々が1986年に日本で「牡丹亭」を上演した時、坂東玉三郎さんが見ていた。去年、彼が昆劇を習いに来た時、そのことを初めて知った。彼が演じた「杜麗娘」は誰かの真似ではなく、玉三郎さん自身の「杜麗娘」だ。こんなに短い間で、このような舞台ができるのは、優れた芸術家にしかできないことだ思う」と言っています。

この中日共演の「牡丹亭」は今後も上演されるということです。玉三郎さんが演じる「杜麗娘」がどこまですばらしくなるのか、楽しみです。

(文:東)

     

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