嫦娥6号の月サンプル研究成果が初公開 月の裏側では火山活動が14億年以上継続

2024-11-19 14:46:58  CRI

嫦娥6号の月の裏側に着陸する位置

 このほど発表された嫦娥6号の月サンプルの第1回の研究成果によれば、地球から見た月の裏側の火山活動の歴史が明らかになるなど、月の進化の研究にとって、重要な科学上の根拠を得ることができました。関連論文は国際的な学術誌の『ネイチャー』と『サイエンス』のオンライン版で発表されました。

 これらの研究は、月の裏側のマグマ活動の研究の空白を埋めました。嫦娥6号は初めて月の裏側から1935.3グラムのサンプルを持ち帰り、月の裏側の関連研究を展開するための得難いチャンスを提供しました。人類が以前に取得した月のサンプルは、いずれも月の地球側からのもので、月の裏側に対する認識は主にリモートセンシング研究に基づいていました。

 嫦娥6号が持ち帰った一つの高アルミニウム玄武岩の細片は、月の裏側に42億年前にクリップ(マントルの特定成分が集まった物質)の豊富な領域があることを意味し、火山活動が存在したことを明らかにしました。このことは、月の裏側では火山活動が少なくとも14億年は継続し、マントルの源域がクリップ物質に富む状態から欠乏する状態への転換を経たことを示しています。

 中国科学院広州地球化学研究所の徐義剛院士のチームは、嫦娥6号が採取した低チタン玄武岩が28億3000万年前の火山噴火で形成されたことを確認しました。チームの研究はこれまでの認識を刷新し、月の海の部分の玄武岩の分布は月の地殻の厚さだけでなく、マントル源域の物質組成も影響を及ぼした重要な要因であることが明らかにしました。(ヒガシ、鈴木)

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