【観察眼】核汚染水海洋放出問題 約束を守り互恵ウィンウィンの実現を

2024-09-24 18:04:17  CRI

 王毅外交部長は現地時間9月23日、ニューヨークで日本の上川陽子外相と会談を行い、福島原発の核汚染水の海洋放出問題で中日両国が合意した共通認識について中国側の立場を表明した。

 王外交部長は「中国が福島の核汚染水の海洋排出に反対するのは当然のことだ」と述べた上で、「日本は長期的な国際的モニタリングおよび中国を含む利害関係国による独立したサンプリングとモニタリングを受け入れることに同意した。その約束を守り、余計な問題を起こさないよう努めるべきだ」と強調した。

 福島原発の核汚染水海洋放出問題について、中日双方は長期にわたる集中的な協議を経て、4つの共通認識に達した。この合意に基づき、日本側は国際原子力機関(IAEA)の監督下で長期的な国際監視メカニズムを構築し、中国を含むすべての利害関係国が効果的に参加し、参加各国が独立してサンプリングやモニタリング、ラボ分析を行えるよう保証し、その上で、中国は科学的な証拠に基づき、関連政策を段階的に調整し、安全基準を満たす日本の水産物の輸入を再開することとした。

 共通認識の達成を突然に感じる人もいるだろうが、実際には、2023年8月24日に日本政府が福島第一原発核汚染水の海洋放出を開始して以降、中日双方は集中的な協議を続けてきた。2023年11月には、サンフランシスコで中日両首脳が会談し、協議と交渉を通じて問題解決の適切な道を見いだすことで合意した。双方の共同努力の結果、2024年8月中下旬、二国間の共通認識がついに達成された。

 国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長はインタビューで、「中日の二国間共通認識を達成する上で、中国側は決定的な役割を果たした」と指摘し、「IAEAは引き続き技術的な角度から橋渡しの役割を果たし、IAEAの枠組みの下での国際モニタリングに中国側の専門家をより多く招くなど、中日の追加的な国際モニタリング措置の実施を積極的に推進したいと強調した。

 外交部の毛寧報道官は合意発表の当日、「日本の海洋放出に断固反対するという中国の立場に変わりはない」と改めて明言し、「今回の合意は日本が責任を確実に履行し、海洋放出による潜在的なリスクを効果的に防ぐよう促すものだ」と説明した。

 日本にとって、この共通認識の達成は待望のものだ。日本は中国が日本の水産物に対する輸入規制を解除することを待ち望んでいた。NHKによると、中国は日本の水産物の最大の輸出市場であり、中国の輸入停止によって、日本の水産物輸出は深刻な影響を受けているという。

 共通認識の達成は、日本の水産物輸出に希望をもたらした。しかし、これは中国が直ちにすべての輸入を再開することを意味するわけではない。中国外交部は「中国側が提示する要求を十分に満たすことを前提に、輸入再開を段階的に実施する」との方針を示した。

 福島原発の核汚染水の海洋放出問題で達成された共通認識は、双方が共に努力し、向かい合った結果である。この共通認識は具体的な環境問題の解決に役立つだけでなく、両国関係の改善と発展に新たなきっかけを提供した。今後、双方が共通認識を踏まえ、引き続き協力を強化し、共に課題に立ち向かい、互恵ウィンウィンを実現していくことが望まれる。(CRI評論員)

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