北京
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中国南部の海南省海口から北京へ向かっていた中国南方航空CZ3119便でこのほど、妊娠25週の妊婦が予期せぬ出産を経験しました。同じ便に乗っていた新生児科看護師の陳珊珊さんが1万メートルの上空で介助しました。
△早産児の状態は安定
夫と合流するため、4歳の長女を連れてCZ3119便で海口から北京へ向かっていた張さんは、同便が約1時間飛行したところで、おなかが気持ち悪くなったためトイレへ行くと、産気づきました。
海南省人民医院の新生児科看護師、陳珊珊さんは、医療関係者の助けを求める機内放送を聞いて、すぐにトイレへ向かいました。妊婦はすでに出産していて、胎盤と新生児を包んだ手のひら大の胎膜を抱えていました。陳さんは、産婦の状態が安定していることを確認した後、直ちに新生児に救急処置をしました。この時、もう2人の医師もやってきましたが、新生児科や小児科の医師ではないため、3人は相談した上で、陳さんが主導し、2人が協力することに決めました。
1万メートルの上空では医療条件が整っていないため、陳さんと2人の医師は手袋をして胎膜を引き裂くしかありませんでした。膜を破った後、新生児は、皮膚が蒼白で、泣き声も出せず、呼吸も脈拍もなく、手足が柔らかく、刺激を与えても反応がありませんでした。陳さんは、安全を確保した上で、胸骨圧迫や経鼻酸素供給などの緊急措置を施すとともに、客室乗務員に温水袋を持ってくるよう頼み、新生児をキャビンバッグで包んで保温しました。一連の救助措置を経て、赤ちゃんの心拍数は徐々に回復しました。
早産児は体の各機能の発育が未熟な上、機内での出産は感染リスクが倍増することから、新生児と産婦の命の安全を確保するため、機長は旅客機を湖南省の長沙黄花空港に緊急着陸させる手配をしました。
陳さんはその間、一刻も油断せず、新生児にずっと胸骨圧迫を行いました。旅客機が空港に緊急着陸した後、陳さんも救急車に同乗して新生児を病院まで送りました。
幸いなことに、赤ちゃんは危険な状態を脱し、産婦の体調も安定しました。陳さんは母子の無事を確認してようやく安心し、自分の電話番号を残して病院を離れました。
張さんの夫の孫さんは、妻が旅客機内で出産したことを知り、すぐに病院に駆けつけました。孫さんによりますと、次女は出生時の体重がわずか820グラムでした。それから半月がたって体重は50グラム増え、状態は安定していますが、退院の条件を満たすまで引き続き治療を受けるとのことです。「娘には、一生無事でありますようにという意味を込めて孫奕安と名付けた」と話していました。(ZHL、柳川)
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