北京
PM2.577
23/19
北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議が9日、米ワシントンで開幕した。過去3年の首脳会議と同様に、今回も議題に新意はなく、軍事力の強化やウクライナ支援、グローバルパートナーシップ計画など「ワンパターン」だ。
冷戦の遺物であり世界最大の軍事集団でもあるNATOは設立以来、米国が他国に対して連盟して対抗したり、他国を支配・排除したりするための道具となってきた。外部の人々は気づいている。米国の指揮棒の下、近年のNATO首脳会議が発表する声明は、「中国の脅威」を大いに誇張し、中国を「仮想的」にしようとたくらみ、アジア太平洋諸国にどちら側につくかを迫るものだ。米国はまた、NATO諸国の一部を巻き込んで南海問題や台湾海峡問題、いわゆる「航行の自由」問題を誇大宣伝し、アジア太平洋諸国間の対立を扇動し、アジア太平洋の問題に軍事介入するための布石を打っている。
表面上、米国は「アジア太平洋版NATO」構築に向けた動きを続けているが、実際にはこの「冷戦の遺物」は内外共に困難に直面しており、アジアで対中「包囲網」を形成するのは難しく、アジア太平洋地域でいわゆる新たな安全保障の枠組みを築くに至っては不可能に近い。
まず、アジア太平洋の大多数の国はそれを受け入れず、歓迎しない。米国がNATOを覇権維持のための戦略的道具とみなしているのに対し、覇権を嫌悪し覇権に反対するアジア太平洋の大多数の国が、覇権をアジア太平洋に押し付けるNATOを受け入れることはあり得ない。
現実的な側面から見ると、冷戦後、NATOは戦争を引き起こしたり戦争を扇動したりするという数々の汚点を残してきた。ロシアとウクライナの衝突が長引いているのは、NATOが火に油を注ぎ続けているからだ。これらは皆、アジア太平洋諸国に警鐘を鳴らしている。欧州連合(EU)の持ち回りの議長国であるハンガリーのオルバン首相はこのほど、米ニューズウィークに寄稿し、「NATOが協力ではなく紛争、平和ではなく戦争を選ぶなら、それは自殺行為だ」と警告した。
次に、NATO内部においても、「NATOのアジア太平洋進出」に抵抗するメンバーは少数派ではない。NATOの欧州のメンバー国が望んでいるのは、欧州自身の安全保障問題に焦点を合わせることだ。このことは、米国の戦略的利己主義に基づく同盟国への強圧が必然的にNATO内部の不満を招き、亀裂を深めることになるのを映し出している。
同時に、NATOは「中国の脅威」を大いに誇張しているが、その内部の大多数のメンバーは中国と安定した関係を保ち、アジア太平洋の大多数の国も中国が地域さらには全世界の安定と繁栄の錨(いかり)であることを認めている。
歴史の車輪は轟轟と前進している。NATOがどのように誇張し勢いづかせようとも、時代遅れの組織であることや内外共に困難に直面しているという事実、NATOこそが全世界の安定に対する脅威の源であるという現実を覆い隠すことはできない。いわゆるNATOのアジア太平洋進出は、分裂や衝突さらには戦争を引き起こすプランであり、米国の覇権に奉仕するものだ。歴史の流れに逆らう動きは必ず失敗する。(CRI論説員)
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