ごみ拾いしながらチベットを旅する中国男性 78日間で5トン拾う

2024-07-04 10:31:32  CRI

△チベットでごみ拾いをしながら旅行する辛成龍さん

 「他の人はチベットで心を浄化、私はチベットでチベットを清掃」。中国北部の河北省滄州市出身の辛成龍さん(36歳)は、フリーランスの旅行ブロガーです。辛さんは今年4月、中国南西部の雲南省大理を出発し、ごみ拾いをしながら旅を始めました。雲南・チベット線、四川・チベット線を経由してチベットに入り、出発から78日間で550袋以上、合わせて5トン余りのごみを拾いました。

 辛さんは旅行愛好者として、これまでチベットを何度も訪れており、初めてチベットを訪れたのは2011年でした。当時はチベットへの交通が不便で、観光客もそれほど多くありませんでした。しかしここ数年、チベット観光ブームが続いていることから、チベットを訪れる観光客がますます多くなり、ごみのポイ捨てがたまに見られます。辛さんは、「チベットに入る318国道沿いでは、使用済みの酸素ボンベやペットボトルなどが美しい景観の中に散らばっていて、とても目障りだ」と語り、自分で車を運転してごみ拾いの旅に出ることを決めました。

 辛さんの話では、チベットへの国道沿いで、ごみをよく見かける場所に駐車して、ごみを拾ってビニール袋に集めます。ペットボトルやビニール袋、発泡スチロールなど廃プラスチック系ごみのほか、観光客が捨てた靴などの日用雑貨もたくさん拾い、それを車で近くのごみ箱に運びます。沿道の村は数日おきにごみ収集車を派遣し、清掃員がごみ袋を集めて処理場に運ぶということです。

 辛さんは、ごみ拾いは一種の自己修養でもあると言いました。チベットは標高が高く、風が強く、紫外線も強いうえ、ごみが分散していることから、ごみ拾いにはかなりの体力が費やされ、たいへん苦労しました。しかし、ごみをたくさん拾えば拾うほど、心の落ち着きを取り戻し、「自然そのままの姿が見えて、本当にうれしい」と辛さんは語りました。

 辛さんがチベットでごみ拾いをした旅の動画がネット上で拡散され、多くの人々に感動を与え、ネットユーザーからたくさんの注目と支持を集めました。辛さんは「自分の働きでより多くの人々にチベットの美しい風景を見てもらい、チベット生態系の脆弱(ぜいじゃく)さを知ってもらい、ごみのポイ捨てなどの現象が減り、チベットの環境保護への力になりたい」と話しています。また辛さんは、少なくとも100人ぐらいが自発的にごみ拾いに参加してほしいとの小さな目標を語り、「すぐに達成できる」と自信満々に期待を寄せています。(Lin、榊原)

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