1人のため特別卒業式典が開催 中国江西省

2024-06-18 15:49:58  CRI

副学長が謝志龍さんに学位証明書を授与

 中国南東部に位置する江西省の景徳鎮陶瓷大学で14日午前、特別な学位授与式が開催されました。この式典の主役は体育軍事教学部体育教育学科第1班4年生の謝志龍さんでした。

 式典では、副学長が謝さん1人だけに学位証明書と優秀な卒業生に対する、栄誉証書を授与しました。なぜ謝さん1人だけのために、大きな会場で式典を行ったのでしょうか。

 景徳鎮陶瓷大学の2024年の卒業式兼学位授与式典は、前日の13日に行われました。しかし謝さんは式典に出席できませんでした。謝さんはその時、江西省人民病院で造血幹細胞の提供を行っていました。造血幹細胞の採取は4時間以上をかけて順調に終わりました。

 謝さんは大学在学中、大学構内で行われた無償献血活動に参加し、さらに中華骨髄バンクへの登録も行いました。そして5月下旬になり、景徳鎮赤十字会から電話があり、血液病を患っているある患者の血液タイプが謝さんのものと合致したと伝えられました。謝さんは他人の命を救うことを考え、家族の理解と支持も得て、「(血液を)寄付する」と迷うことなく断言しました。

造血幹細胞の提供を準備する謝志龍さん

 謝さんは6月8日から12日まで5日間連続で、造血幹細胞を大量に作り血液中に放出するための注射を計10回にわたり受けました。謝さんによると、造血幹細胞の寄付当日には患者からの感謝の手紙を受け取り、その手紙から生命への強い渇望を感じたとのことです。

 事情を知った大学側は、謝さん一人のために学位授与式を行うことを決定しました。体育を専攻した謝さんは在学中に優秀な成績を修め、高級中学校(日本の高等学校に相当)の教員免許も取得しました。謝さんは幼い頃から軍人になる夢を持っていたので、大学卒業後に軍に入隊することを決めました。謝さんは、より多くの人が無償献血に参加し、同時に中華骨髄バンクに登録することを希望すると述べました。(任春生、鈴木)

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