革命の伝承を見守る2本のガジュマル

2024-06-16 16:20:31  CRI

 2000年3月12日、87歳だった習仲勲氏は家族と共に深センの住まいだった「蘭園」で、1本のガジュマルの木を植えました。広東省の改革開放の主要な創始者であり、かつ礎を築いた人物だった習仲勲氏は、ガジュマルの木を植えることで改革開放の恩恵を大きく受けたこの土地に根を張っていきたいとの願いを表しました。

 中国共産党は1978年12月に開催した第十一期第3回全体会議(三中全会)で、経済建設を党と国の活動の重点とし、改革開放を実施するという歴史的な政策決定を行いました。改革開放と社会主義現代化建設という、新たな時代の幕開けでした。

 中国共産党広東省委員会第一書記だった習仲勲氏はその数カ月後の中央活動会議で党中央に対して、広東省が改革開放の中で一歩先を進むことができるよう、より大きな自主権を同省に与えることを要望しました。習仲勲氏は広東省で勤務した2年余りの間に、多くの先駆的な仕事をしました。

 習仲勲氏は広東の人々を率いて農村の経済構造の調整の道を模索し、食糧の自給自足の確保を条件とした上で、商品作物や牧畜業、漁業といった非主食加工品などを手掛ける集団経営企業を自由に発展させることを提起しました。また、香港とマカオに隣接している広東省の地理条件を生かして、国境地域の小口貿易の展開を推進し、香港企業の投資を誘致して加工工場を設立するなど、一連の革新的な取り組みを行い、中国の改革開放の中で広東省が一歩先を進むための基盤を築きました。

 父親である習仲勲氏が改革開放の初期に広東省の人民を率いて思想を解放し、改革をひた向きに進めた偉大な実践は、習近平氏に深い影響を与えました。

 習近平氏が2012年開催の中国共産党第18回全国代表大会(十八大)で同党中央委員会総書記に選ばれて以来の、初の国内視察先は広東省でした。

 習近平氏は深セン市蓮花山公園で鄧小平像に献花し、山頂の広場に1本のガジュマルを植えました。習近平氏はその際に、親世代の改革の道を振り返り中国の改革が「深水区」(改革の難度が増した新たな領域)に入った後の改革の道筋を考える、「改革深化動員令」を出しました。

 習仲勲氏と習近平氏が深センでそれぞれ植えた2本のガジュマルは今、いずれも高くそびえ立っています。広東省を中国の改革開放の出発点として、中華の大地は世の移り変わりの激しい変化を経験して、社会主義現代化国家の全面建設のための新たな青写真を描き、強国建設、民族復興の偉業の実現に向かって邁進(まいしん)しつつあります。(ZHL、シンエン、鈴木)

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