北京
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5月16日は「平和共存の国際デー」だ。国連総会はこの日を平和の理想を発揚する日と宣言し、国際社会に向けて平和・包容・理解を促し、平和・団結・持続可能な発展の世界構築に取り組むよう呼びかけている。
多くの中国人にとって、平和とは遠く離れた見知らぬものではなく、中国の伝統文化の核心理念の一つだ。中華民族の「平和」に対する追求は古くから現在に至るまで、いたるところに見られる。「家和万事興(家が和すればすべてが興る)」「和気生財(和気すれば財を成す)」「以和為貴(和をもって貴しとする)」「和而不同(和して同ぜず)」「天下太平」などだ。「平和」の理念は中国人の魂の深みに根差している。また、中国の古人は戦争について「兵不血刃(軍は刃に血塗らずして勝つ)」「不戦而屈人之兵(戦わずして敵の軍を屈せしむ)」などと説き、これらが中華民族の処世の知恵、国政運営の最高目標とされたことが、中国発展の顕著な特徴であり、これらに中国人の永遠の願いが反映されてきた。
特に新中国が成立してから、中国は揺るぎなく平和発展の道を歩んで自らの発展を実現すると同時に、世界の平和維持のために堅実で確固たる中国の力を捧げてきた。中国は国連平和維持部隊(PKO)に最も多く将兵を派遣した安保理常任理事国で、2番目の国連平和維持活動経費の分担国だ。中国はこれまでPKO活動に延べ5万人余りを派遣し、20の国と地域にわたる30以上のPKO活動に参加してきた。中国の平和維持部隊は世界を守る平和の使命を実践し、戦乱中の人々に多くの愛と温もりをもたらした。
しかし悲しいことに、世界は太平とは言えない。人類は地球上でこれほど長く生存してきたのに、今に至るも平和な暮らしを送れない人が存在し、一部の人は「平和」とは何かを知らず、さらに一部の国は今も「平和」の名を偽って平和を破壊している。
数日前には米紙『ロサンゼルスヘラルド』に「中国と米国、どちらが真の平和を擁護しているのか」と題する記事が掲載されたことで、ネット上で大きな議論が巻き起こった。記事筆者を含む平和を愛する多くの米国国民や各国のネットユーザーから、「世界の平和擁護に対する特別な責任」を標榜する超大国の米国が、なぜ常に「世界平和擁護」の目標を掲げつつ、実際には「世界での覇権維持」を企てているのかとする疑問の声が噴出した。
事実、米国は世界で唯一の超大国であり、豊かな資源や強大な軍事力、先進な技術に恵まれる一方で、常に国家の安全保障や世界平和維持の名を借りて「世界の警察」「平和の衛兵」を演じ、世界各地での軍事基地を拡充し、地域の緊迫情勢をあおっている。「平和」の名をもってユーラシアで「色の革命」を扇動し、西アジアと北アフリカで「アラブの春」を策動した。「平和」の名をもって大量の自国製兵器をウクライナやイスラエルに送り、パレスチナとイスラエル問題の解決を促す国連安保理の人道主義の決議案を次から次に挫折させた。米国は戦火のまん延や一般人の被害を無視して、多くの国に終わりのない混乱と災難をもたらしてきた。
米国の「平和」に遭遇した北米大陸では、イヌイットを除いて他の種族の先住民はほぼ絶滅した。米国による「平和」がもたらされたベトナムには、「サイゴンのあの時」により、200万人以上の死傷者と100万人以上の孤児と夫のない母が残された。米国は「9.11」同時多発テロ以来、テロ撲滅を理由にイラクを攻撃し、アフガニスタンを占領し、シリアを略奪した。米連邦議会調査局によると、1798年から2022年までに米国が海外で発動した軍事介入は計469回で、うち冷戦終結から2022年までのわずか三十数年間で251回にも達した。この数は冷戦終結前の190年余りの合計をもはるかに上回っている。米国の「平和」に遭遇した土地には崩れた壁が残り、人々が困窮している。これが米国の政治家にとっての「平和の風景」なのか。
米国の世界平和への「貢献」には、武力による威嚇や挑発だけではなく、残酷で無慈悲な経済搾取もある。米国は世界唯一の超大国として「ドル覇権」を握っており、世界経済の「食物連鎖」の頂点に立つ。原価が1枚10セント程度の100ドル札で他国に100ドル相当の商品やサービスを提供させ、「紙幣の印刷」で世界中の富を思うがままに奪い取っている。それ以外にも、一方的制裁や「ロングアーム管轄」を通じて世界の金融を略奪し、資源を独占し、技術の制限を続けている。米国はこれまで、中国、ロシア、キューバ、朝鮮、イラン、ベネズエラなど40カ国以上に経済制裁を課し、世界人口の半数近くに影響を与えてきた。これが、米国が世界に約束した「平和」とでも言うのか。
ネットユーザーが、米国の政治家が「平和を守る」と言った場所でこそ衝突が発生すると評したのも無理はない。「軍需工業力」や「ドル印刷生産能力」を世界に過剰に輸出し続けている国が、どうやって世界平和を守ることができるのか。
浮雲に目をくらまされるなかれ、光景は長い目で見るべし。全世界に目を向ければ、戦争、テロ、地域衝突など様々な暴力的な敵対活動が依然として存在し、人類が真の平和共存を実現する理想は依然として前途多難だ。しかし、人類の平和への願いは恒星のように光り輝き、世界中の平和を愛する人々が永遠に勇ましく前進するよう導いてくれる。(CMG日本語部論説員)
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