【CRI時評】米国の「過剰生産能力」論の背後にある誤謬を見極める

2024-04-25 11:35:09  CRI

 米国のアントニー・ブリンケン国務長官が24日から中国を訪問している。出発に先立ち、米国はブリンケン国務長官が訪中期間中、中国の新エネルギー「過剰生産」問題に懸念を表明することを明らかにした。製品輸出と「過剰生産能力」を同一視することは、経済の常識にそぐわず、グローバルな発展のすう勢にも逆行するものである。

 米国の一部の人間は、中国の新エネルギー生産能力が全世界の需要を上回っていると主張している。実際には、国際エネルギー機関の試算は、カーボンニュートラル目標を達成するためには、2030年には全世界の新エネルギー車の生産台数が2022年の4.5倍の4500万台まで増えるとともに、太陽光発電設備に対する需要も同じく4倍の820ギガワットまで拡大することが必要だとしている。

 これらの生産能力が市場のニーズを満たすのにはるかに不足している現状では、中国の良質な生産能力は過剰どころではなく、世界にとって緊急に必要とされているものであることが分かる。中国の新エネルギー製品が比較優位性を持つことができるのは、何らの政府補助金に頼るのではなく、企業の自主的なイノベーション、完備した産業チェーンとサプライチェーン、膨大な規模の市場および豊富な人的資源などに依存しているからだ。

 米国政府がいわゆる「過剰生産能力」論が成り立たないことを知りながら、依然として誇大に騒ぎ立てるのはなぜか。多くの分析が指摘しているように、その背後には「利益、得票、覇権」という三つのキーワードがある。

 英国ロンドン経済・商業政策署のジョン・ロス元署長は最近の文章で、米国は国際貿易においてますます多くの自国製品がその価値において最高級の地位を保てなくなることを恐れていると指摘した。これは中国の新興産業の発展を抑圧し、自国にとってより有利な競争的地位と市場での優位性を追求するという米国の経済的意図を表している。

 政治レベルで見ると、今年は米国の選挙の年であり、米国の指導者は先日、大統領選において重要な州のひとつであり、自動車を基幹産業としているミシガン州で、中国の電動自動車に対抗措置を講じると述べた。今回米国がいわゆる「過剰生産能力」論を持ち出したのは保護主義のための口実であるだけでなく、それを票の獲得と、私利を図るための道具にしていることが分かる。

 より深いレベルで見ると、当初中国の伝統的製造業を対象にしていたときから、現在の新エネルギー産業抑圧に至るまで、米国が繰り返し「過剰生産能力」を言い立てる背後には、根深いゼロサムゲーム思考および覇権主義の論理があることを反映している。

 一部の米国人は高品質・低価格の中国製品の自国市場への参入を阻むことが消費者の利益を損なうだけでなく、全世界のグリーン転換と新興産業発展の足を引っ張ることになるのを意識すべきだ。彼らには虚偽のストーリーをでっち上げるよりも、自国の競争力を引き上げるために策を見つけようとする精力はないようだ。(CRI論説員)

 

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