【中国のアンチエイジング食 広西チワン族自治区の旅⑤少数民族グルメと火麻料理】

2024-04-19 16:09:23  CRI

 まだあまり日本人にはなじみのない広西チワン族自治区。でも実は、医療関係者やアンチエイジング研究家など、一部の人には「巴馬」は有名な場所。2009年にはNHKで「世界で一番長生きが多い里〜中国・広西巴馬〜」という番組が制作され、2011年には銀座で「巴馬ロハスカフェ」が開催されたこともあります。

 今回は広西チワン族自治区・河池市の食についてご紹介します。

 5泊6日のプレスツアーの中で、何度も出てきたのが広西の宴席料理「簸箕(はき)宴」。簸箕は竹で編まれた農具の一種で、一般家庭でも生活用品として使われています。大きな簸箕に新鮮な緑のバナナの葉を敷き詰め、肉料理、野菜料理、雑穀などが彩り豊かに盛り合わせられます。

 ひとつめは私が実際にいただいた料理。その後の3つは、広西チワン族自治区の春祭り「三月三」の料理コンテストの入賞作品です。一皿、600元(約13000円)前後のようです。

 あまりにもカラフルなので、ケミカルな着色料を使っていると思ってしまうかもしれませんが、実はこれには植物の天然色素が使われています。

 上の「五色飯」は広西チワン族自治区の伝統的な食べ物。上部にあるのが色付けをするための植物。黄色は蜜蒙花、オレンジは蘇木、黒は楓葉、青は蝶豆花、紫色は紅藍。緑は黄色と青を混ぜているそうです。

 この地は五香といわれる特産品(香猪、香牛、香米、香鸭、香菇)があるグルメの里です。私が注目したのは、動物性タンパク質と植物性タンパク質がどちらも豊富なこと。そしてたくさんの野菜が使われていること。豚肉のベーコンも特産品のひとつで、皮には豊富なコラーゲンが含まれています。

 昆布と豚のスープには、沖縄料理との共通性を感じました。

 そして、何回も出てきたのが、特産品のひとつでもある「火麻」のスープです。地元ではごく普通の野菜のひとつとして食されている火麻。日本での植物名は大麻草です。ここ数年、日本でも大麻草の成分をコントロールしたCBDの健康効果が注目されていますが、ここ、巴馬の健康長寿の秘密のひとつがこの「火麻」なのかもしれません。

 フレッシュな火麻の葉は、クセのない青菜の味。塩で味付けしているそうですが、まるで味噌汁のような味わいが不思議でした。機会があれば、巴馬の厨房に入ってみたいと思います。

 草書で「命」の形に流れているという命河を見下ろす展望台では、火麻の種(ヘンプシード)とサクサクとした火麻のお菓子が売られていました。

 (文・写真 鳴海美紀)

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