同一の携帯から救急電話が14回 通信指令員の粘りで負傷者救出

2024-04-16 13:37:32  CRI

 中国南部の深セン市の120番救急センターではこのほど、多くの通信指令員が、同一の携帯電話からの電話を繰り返し受けましたが、電話がつながっても長い間無言のままでした。しかし通信指令員があきらめずに努力したことで、電話をかけてきた人の救命に成功しました。なお、中国での電話の120番とは、日本の119番と同様の使われ方をしている番号です。

 広東省の深セン120番救急センターでは3月26日午後3時9分から、同一の携帯電話からの電話を何度も受けました。しかし、電話がつながっても相手は無言のままでした。通信指令員の陳翠娥さんはすぐに電話を切ることなく、辛抱強く何度も繰り返して様子を尋ねました。

 電話の向こうからやっと聞こえてきた声により、相手は交通事故による負傷者と分かりましたが、自分の居場所をはっきり言うことはできませんでした。詳しい場所を話してもらえなかった陳さんは、配車システムが示めす発信位置に基づいて、負傷者の発信位置から近い、約2キロ離れた救急ステーションの救急車を出動させました。しかし、正確な目的地が分からないため、救急隊員によると道を「ぐるぐる回っていた」とのことです。負傷者の居場所を知るために陳さんはさらに、業務用携帯電話を使って、負傷者を微信(ウィーチャット、中国のSNS)の友だちに追加して、微信を通じて具体的な位置を送信してもらいましたが、微信による位置と電話の発信位置が一致しませんでした。陳さんはすぐに電話を通じて繰り返し質問し、負傷者に微信を通じて位置を再び発信させましたが、1回目の位置とはまた違っていました。

 陳さんはやむを得ず再び電話をかけて確認したところ、幸いなことに、その時に宅配便の配達員が事故現場を通りかかって、電話を通じて患者の具体的な居場所を説明してくれました。そのことで、路上で「ぐるぐる回っていた」救急隊員は午後3時50分にようやく負傷者を発見しました。

 この負傷者は、交通事故により頭、首、胸などを骨折していて、救急車で病院に搬送されました。13日間の入院治療を経て、最近になり無事退院できたとのことです。(Mou、鈴木)

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