中国では家庭科授業が幼稚園まで拡大

2024-04-10 16:20:40  CRI

 △海口市五源河幼稚園で目玉焼きづくりを習う4歳の園児

 中国では、東部の江蘇省徐州市のある幼稚園がこのほどネット公開した動画が人気を集め、多くの保護者の賞賛を得ました。動画では、園児らが慣れた手つきで小麦粉をこねて円盤状に焼いた食べもの「中華餅」(中国式クレープ)を焼いたり、ソーセージを作ったり、ニワトリやアヒルの世話をしています。これは園内で実施されている家庭科の授業で、園児らは炒め物などの料理を習ったり、ニワトリやアヒル、ウサギなどの小動物の飼育も学びます。この授業は保護者からも大いに支持されています。

 中国では現在、家庭科教育が幼稚園にまで拡大することが珍しくなく、一部の地域では就学前教育における重要な内容とされています。このような現象は、中国でこれまでの長い間、学童や生徒の家事への参加が不足して家事能力が欠落していたことに対する社会全体の反省によるものです。

 小学生から高校生までを対象に2022年に行われたある家事関連アンケートによれば、40.9%が「洗濯ができない」と回答しました。「めんを茹でられない」は42.8%で、「炒め料理ができない」は63.2%でした。野菜を洗うなど比較的簡単な家事さえできない子も36.6%いました。

 このような現象を受け、家庭や学校、社会が積極的に動き始め、多くの幼稚園で炒め料理やマントウ(中国式蒸しパン)づくりを教えるようになりました。一部の幼稚園では、農園での種まきや家禽(かきん)や家畜の飼育などの作業を園児に体験させるようになりました。

 北京師範大学就学前教育研究所の洪秀敏所長は、「小中学校では、学習能力や知育がより重視されているが、幼稚園の段階では子に社会化の“早期演習”をさせ、遊びながら成人社会や未来社会を体験させるほうが良い。働くという方式で生活を体験し、社会を疑似体験しながら生活の技術を身に付けることは、就学前教育の重要な内容であるはずだ」と述べました。

  一方で、保護者たちからも「興味を持たせることが家事の習慣を身に付ける前提条件であり、遊びの形式で様々な家事に参加して、そこから生活の技能や常識、身の安全を守る方法を学んで、遊びながら労働の価値を体験することは非常に有意義だ」とする支持の声が上がっています。(Lin、鈴木)


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