1秒もかからず正確に診断 なんと人間ではない「神医」

2024-03-28 13:31:27  CRI

中国語を話す世界初のデジタル放射線科医「小君」

 最近、ある特殊な医師が注目されています。それは北京理工大学のチームが首都医科大学付属北京天壇病院と共同で開発した、世界初の中国語を話すデジタル放射線科医「小君」です。

 医学用画像技術の発展は、20世紀における最も偉大な医学的進歩の一つです。現在、X線、CT、MRIなどの医学用画像検査技術は、多くの疾病の診断と治療の標準的な手段になっています。それにもかかわらず、中国では放射線科医の不足が深刻で、医師の業務量はその能力をはるかに超えた状態です。こうした状況の下で、科学技術による医学画像分野への支援強化が急務になっています。「小君」の研究開発は、医学用画像診断のために設計・構築された世界初の大規模言語モデル(LLM)である「竜影」大模型(RadGPT)に基づいています。これは大学と病院の連携による成果で、百万余りの良質な医学用画像データおよび数十年にわたって蓄積してきたプロフェッショナルな画像診断経験に加え、北京理工大学の科学研究チームの長年にわたるAI訓練により、医療データのプライバシー性を保護しながらモデルの性能・パフォーマンスを効率的に向上させ、中核的な機能を実現しています。すなわち、MRI画像を解析することで、迅速に診断所見を作成することができます。同モデルに基づいた医療AIの「小君」は、診断に要する時間が短く、診断結果は高い精度を保っています。「小君」は、脳血管病および脳、首、胸部など十数箇所の部位の腫瘍、感染系疾患など、百種類以上の疾患を診断することが可能です。1000例近い症例を検証した結果、精度は95%を超えており、1症例あたりの診断所見に要する時間は平均0.8秒です。また、「小君」は毎日24時間体制で働くことができます。

 「小君」はデジタル放射線科医のパイオニアとして、さまざまな機能は現在も調整中ですが、継続的な学習により、CTやX線画像のリポート解析や診断、さらには画像生成による画像診断など、さまざまな放射線科の専門技術を身につけることになります。(ヒガシ、坂下)

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