【観察眼】どの国も 世界に一つだけの花

2024-03-21 14:07:09  CRI

 今週、民主主義に関する話題が再び国際世論の焦点となった。3月18日から20日にかけて、米国の提唱したいわゆる「民主主義サミット」が韓国で開かれた。サミットの内容である「メニュー」が例年と代わり映えのしないものであっただけでなく、「開宴」のタイミングもかなり悪かった。主催国の韓国は、世界的に民主主義のリーダーシップを発揮しようと期待していたが、よりにもよって国内で爆発した深刻な医療危機に巻き込まれている。国民の医療問題でさえまともに解決できない国が、世界の民主主義をリードすることなどできるものか。さらに皮肉なことに、ブリンケン米国務長官が会場で技術の力によって民主主義の価値観を維持すると鼓吹していたとき、米連邦議会は中国企業の開発したあるショート動画アプリを赤裸々に強奪しようとしていた。道理で、ネットユーザーたちがたまらずに、今回のサミットを徹頭徹尾「狂った会議」、民主主義の名を借りたもう一つの茶番劇とやゆしているわけだ。

 もちろん、米国が提唱する民主主義サミットに全く価値がないとは言えない。何しろ、3年続けて開催され、「ルールに基づく国際秩序」と「新冷戦の価値観」を奮って押し売りし、民主主義を盾に覇権を図ってきたのである。米国のいわゆる民主主義を「味」わい、自らの判断でこの偽りの宴から遠ざかる国はますます増えている。ある意味で、米国の民主主義サミットはまさに反面教師の役割を果たし、人々に民主主義のあり方を再認識させた。

 そもそも、民主主義とは、各国の人々の権利であるべきで、少数の国の特許ではなく、特権や覇権でもない。いかなる国にも、ロングアームによって他国の事柄にあれこれ干渉したり、民主主義を政治化・道具化・武器化したり、民主の名を借りて分裂と対抗を煽り立て、自らの覇権を守る資格などはない。このようなやり方こそ、民主の精神に背くものだ。世界には、全く同じ花が二つとないように、どの国もそれぞれが唯一の花だ。民主主義のあり方は文化の多様性の影響を受け、それぞれの国の歴史文化、社会環境、基本的な国情に左右される。真の民主主義は、その国の土壌に根を下ろした花のように、色や咲き具合はさまざまだが、それぞれの歴史と文化、民族と伝統、社会環境から栄養分を吸収しながら成長していく。

 一方、今週の20日、第3回「民主:全人類共通の価値」国際フォーラムが北京で開幕した。これについて、一部の日本メディアを含む西側メディアは「米国が提唱する民主主義サミットに対抗するための“PR”だ」と報じていた。これは余りにも偏狭で不公平な論調だ。

 まず、中国の行った国際民主フォーラムは、グローバルな民主ガバナンスに関する対話会であり、一方的に「民主のルール」を制定するための場ではない。1950年代には、多くのアジア、アフリカ、ラテンアメリカの国々がバンドン会議で世界の民主主義に参画しようと正義の声を上げた。現在の世界はますます多極化し、より多くの国々が円卓に座ってグローバル民主ガバナンスに参加することを望んでいる。また、グローバル時代の民主ガバナンスは、小サークルの集団による対抗ではなく、異なる理念の尊重・理解・包摂・協議を促す対話の場を確立する必要がある。

 第二に、「民主」という言葉は3000年以上も使われ続けており、さまざまな定義や奥深い内容が含まれている。民主主義は人類共通の価値であり、その実践の道筋は多種多様である。悠久な歴史を持つ文明大国として、中国は多様性と共存という伝統を持っており、対話と協議による民主主義の文化を提唱している。国際民主フォーラムの開催も、全人類共通の価値観を探求し、平等な協議によって積極的に国際関係の民主化を図るためである。これはまさに責任ある大国としての民主主義と使命感を具現化したものと言える。

 最後に、今回の国際民主フォーラムの開幕式で、中国社会科学院学部委員、世界経済と政治研究所の張宇燕所長が発言したように、今年は中華人民共和国成立75周年に当たる。75年前、毛沢東主席は天安門の城楼で新中国の成立を世界に宣言した。天安門城楼の両側には二つの大きなスローガンがある。一つは「中華人民共和国万歳」、もう一つは「世界人民大団結万歳」である。新中国の創設者たちが打ち出したこの二つのスローガンは、まさに中国人がどのように自分たちの国を建設し、どのように世界の人々と付き合うかという目標と準則を明確に示している。それから70数年後、中国の習近平国家主席は複数の場でこう語った。新時代の中国人は二つの歴史的使命を担っている。一つは中華民族の偉大な復興であり、もう一つは人類の共同の進歩を促すことだ。

 今日の世界は、百年未曾有の大変革に直面しており、世界の変革、時代の変革、歴史の変革は斬新なあり方で速やかに進化していく。歴史の十字路に立たされてどのように前へ進むのかは、各国の人々の判断と選択次第だ。多彩な世界で、民主はさまざまな花を咲かせる。小さな花や大きな花、一つとして同じものはない。各国の人々が、違う種を持つそれぞれの花を咲かせることだけに一生懸命になればいい。どの国も、世界に一つだけの花なのだから。(CMG日本語部論説員)

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