授乳期の女性教師を学校清掃員に異動 広州の学校に120万円の損害賠償命令

2024-03-14 13:29:12  CRI

(写真の人物と当該ニュースの内容は関係なし)

 出産後職場に復帰した女性教師が、学校側から教員のポストがないとの理由で、学校の清掃員のポストに異動させられました。中国東南部の広東省広州市中級人民法院(地方裁判所)はこのほど、授乳期の女性教師が規定に違反して異動させられた案件で、学校側に5万8000元(約120万円)を賠償するよう言い渡しました。

 女性教師の謝さん(仮名)は2014年5月12日、広州のある小学校に入職し、学校側と雇用契約書を交わしました。謝さんは2020年末、出産のため学校側に産休を申し込みました。産休を終えた謝さんは、学校に職場復帰の申請を提出しましたが、学校側から教師のポストがないため、学校の守衛や清掃員を担当するように指示されました。これを不服とした謝さんは、その後出勤しませんでした。

 謝さんの授乳期がまだ続いていた2021年6月15日、学校側は謝さんに「雇用契約満了不更新通知書」を発送し、学校と謝さんとの雇用契約は2021年7月10日に満了し、契約満了後は更新しないことを明らかにしました。謝さんは労働仲裁を経て裁判所に提訴し、違法解雇の賠償金と未払い給料の支払いを学校側に求めました。

 広州市番禺区人民法院は一審判決で、学校が判決発効日から5日以内に謝さんに違法解雇の賠償金5万8381.31元(約121万円)と未払い給料5165.5元(約10万7500円)を支払うよう言い渡しました。双方は共に一審判決を不服として控訴しましたが、広州市中級人民法院は二審判決で控訴を棄却し、原判決を支持しました。

 裁判官は、「中国では法に基づいて女性の権益保護が強化されている。女性従業員の妊娠、出産、授乳期において、雇用主は雇用契約の満了やその他の理由で恣意(しい)的に雇用関係を終了してはならず、授乳期の女性従業員が復職する際、差別待遇や恣意的な異動をすることは禁じられている」と表明しました。(Lin、榊原)


   

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