<全人代>政府活動報告の経済対策は「適切な措置」=名古屋外大・真家陽一教授

2024-03-09 16:10:36  CRI

 2024年度政府活動報告の経済対策をめぐり、名古屋外国語大学の真家陽一教授が8日に中央広播電視総台(チャイナ・メディア・グループ/CMG)のインタビューに答えました。真家教授は同報告で示された方向性は「中国の発展環境を総合的に分析・判断した」ものとし、報告で提出された政府活動任務は「適切な措置」だと評価しました。

 今年の政府活動報告には「積極的な財政政策」「穏健な金融政策」、「マクロ政策の一致性の強化」という三つの方向性が示されています。これに対し、真家教授は「戦略的チャンスとリスク・課題が併存する中国の発展環境を総合的に分析・判断した」上で打ち出されたものと評しました。

 一方、経済成長の目標について「5.0%前後」という数値を掲げながらも、「達成は容易ではない」とも記されています。中国では、消費が回復する中にあっても、不動産市場低迷の影響もあって投資が減速し、輸出が下押しされることなどが背景と見られています。真家教授はそうした中で、「現代化産業体系の構築推進、新たな質の生産力の発展加速」を政府活動任務の第1番に提起した中国政府の姿勢を評価しました。その上で、「技術の進歩や生産性の向上などを指す“全要素生産性”こそが「新たな質の生産力」の中核的な指標だと指摘し、「政策の具体的な推進状況に注目していく」と話しました。

 2024年度政府活動報告には現代化産業体系の構築推進、内需拡大の強化、改革の深化、発展の内生的原動力の増強、対外開放の拡大など10項目の政府活動任務が記されています。真家教授はそのいずれも「中国を取り巻く内外の環境や経済・社会の現状を勘案した上で策定された適切な措置」だと評価しました。とりわけ「超長期特別国債」の発行により、イノベーション、都市と農村の融合発展、地域の協調発展、食糧・エネルギー安全保障と関連させる方針が着実に推進されていくことの重要性を強調しました。

 なお、「新たな質の生産力」とは、中国では「技術の革命的ブレークスルー、生産要素の革新的配分、産業の高度化によって生み出される先進的な生産力」と定義されています。(取材・記事:王小燕、校正:坂下)

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