20代の中国男性 騙されてミャンマーでネット詐欺師に 毎日17時間勤務でも殴打・叱責

2024-03-07 14:23:18  CRI

 中国中部の湖北省鶴峰県の警察はこのほど、騙されてミャンマーの黄金の三角地帯に監禁されていた20代前半の男性・小凱さん(仮名)の救出に成功しました。

 鶴峰県にあるレストランの厨房で働いていた小凱さんは昨年10月、友人から電話を受け、中国南西部の雲南省で黄金を密輸する高給の仕事があり、1回で最低5000~6000元(約10万~12万円)稼げるため、一緒に「金もうけ」に行こうと誘われました。

 当時は何も考えずにひたすらお金を稼いで家計の負担を減らそうとしていた小凱さんは、友人の立てた計画に基づき乗車券を購入し、金もうけの夢を持って鶴峰県を出発し、雲南省の国境の町・騰衝市に行きました。さらにそこから4、5日かけてミャンマー東部にあるミャワディ工業団地に到着しました。

 小凱さんによると、自分の仕事は「会社」が提供するSNSのアカウントを使ってチャット相手を見つけることで、「普通はシナリオに従って恋愛の話から1~2日おしゃべりをして相手に会社特製の投資ソフトをダウンロードさせ、その後は同僚に渡して次の詐欺のプロセスに移る」と述べました。午前11時に出勤、翌日午前4時に退勤、毎日17時間の仕事が強いられ、詐欺の効果が上がらない時は殴られたり叱られたりするため、小凱さんはこの魔窟から逃げ出したいと思っていました。

 小凱さんは、上司の認可を得て組長の監視の下、携帯電話で母親に連絡しましたが、母親に自分がミャンマーで働いていることしか言えず、通話のたびに時間の制限がありました。

 ミャンマー、連絡が取れない……異変に気づいた小凱さんの母親は以前見た詐欺事件を思い出し、昨年10月16日、鶴峰県警察局に通報しました。警察は取り調べに前向きに取り組み、電話のたびに小凱さんが提供する断片的な情報をつなぎ合わせ、小凱さんの所在場所と基本状況を把握しました。事件を担当した警察は、ミャンマーやラオス側の警察と協力して危険に満ちた紆余(うよ)曲折を経て、監禁場所から小凱さんを救出することに成功しました。

 「一夜にして大金持ちになることを夢見ていたが、地獄のような電子詐欺グループに監禁され、人生を台無しにするところだった」と小凱さんは深く反省し、故郷で仕事を探して母親の近くでしっかり仕事をしたいと言いました。(Mou、榊原)

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