中国人 「コチョウランの自由」を実現

2024-02-15 14:35:22  CRI

 中国南部の広東省広州市民にとって、春節期間中に花市場巡りをするのは欠かせない活動の一つです。春節休みのこの数日、広州市の花市場で最も人気があるのはコチョウラン、シンビジウムなどです。30年以上前には品種も少なく値段も高かったことから「貴族の花」と呼ばれていたコチョウランは、今ではすっかり普及し、一般の家庭でも気軽に買って帰ることができます。

 中国人が「コチョウランの自由」を享受できるのは、園芸専門家たちの勤勉な育成努力なしには有り得ません。広東省農業科学院環境園芸研究所所長、国家大規模野菜産業技術体系花卉(かき)広州試験場の責任者である朱根発さんはその一人です。

 1990年代の初め、蘭の品種は少なかったで、開花期も春節の時期ではなく、コチョウランの増殖は世界的な技術上の難題でした。大学で作物の遺伝育種を専攻した朱さんは、コチョウランの種苗増殖と開花期の研究に没頭し、効果的な増殖システムを構築するとともに、季節外れの時期にコチョウランを咲かせたいと考えていました。

 

オレンジ色のコチョウラン

 広州の天気は比較的暑い期間が長く、コチョウランは温暖を好み、ある程度の耐寒能力を持っていますが、湿気が多すぎる場所では成長できず、普通は3月から4月に開花します。朱さんが率いる研究チームは海抜800メートル以上の高山に基地を設け、コチョウランの開花を早める実験を行いました。1995年、コチョウランを季節外れの時期に咲かせる技術がほぼ確立し、朱さんとチームは率先してコチョウランの増殖から開花までの体系を構築して、国内の鉢植えのコチョウラン研究のパイオニアとなりました。

 現在、広州の花市場を彩るコチョウランにはピンクや黄色、オレンジ色のものなどがありますが、これらの交雑育種により作られた新品種は、一つの品種を作るのに少なくとも8年が必要でした。

 この三十数年間、朱さんとチームはコチョウラン、シンビジウム、セッコクなど200以上の品種を育成してきました。次は香りのあるランに重点を置いて育成するとのことです。(藍、坂下)

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