中国のBMI技術に新たな進展 四肢麻痺患者が自分で水を飲むことに成功

2024-02-06 12:12:01  CRI

 首都医科大学宣武病院のチームと清華大学医学部のチームがこのほど、共同でブレイン・マシン・インターフェース(BMI)の画期的な進展を成し遂げ、世界初となる体内埋め込み型硬膜外電極BMIによる補助治療を受けた四肢麻痺患者が、自身で脳をコントロールして水を飲むことに成功したと発表しました。なお、硬膜は頭蓋骨と大脳皮質の間に位置し、神経組織を保護する役割があります。

 患者は54歳で、自動車事故により頸椎(けいつい)の脊髄が完全損傷し、高位脛骨切断手術を受け、これまで長期にわたって四肢が麻痺している状態でした。

 医療チームは昨年10月24日、ワイヤレス低侵襲埋め込み型ブレイン・マシン・インタフェース「NEO(Neural Electronic Opportunity)」の初の臨床埋め込み試験を行い、硬貨サイズの2枚のBMIプロセッサーを神経外科医の操作により四肢麻痺患者の頭蓋骨内に埋め込んだ上、感覚運動野の頭蓋骨内脳信号の受信に成功したということです。

自分で脳を制御して水を飲むことに成功した四肢麻痺患者

 患者は術後10日で退院し帰宅しました。患者の在宅時は、体外装置が頭皮越しに体内装置に電気を送ると同時に、脳内の神経信号を受信して、パソコンや携帯電話に伝送し、BMI通信を実現しています。

 3カ月間の在宅リハビリテーションを経て、患者は現在、脳の電気活動により空気圧グローブを動かして、自分で水を飲むなどの脳制御機能を実現することができ、患者の脊髄損傷の臨床評価スコアと感覚誘発電位測定値のいずれにも大幅な改善が見られました。

 BMIは脳の信号を記録・解読することで、脳とコンピュータ間の直接通信を実現します。BMI技術は将来的に、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、脊髄損傷、てんかんなどの脳疾患患者の回復を助け、あるいはBMIに段階的にAI技術を融合させ、人の脳の情報処理能力を拡張することも期待されています。(燕、坂下)


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