「教科書式」人命救助 女性が雪の夜道で示した交通事故の負傷者への対処とは

　中国ではこのほど、「男が雪の日にバイクで転倒、女性が教科書式の救助」と名づけられたショート動画がネット投稿されて話題になりました。バイク事故を起こした男性を、車で通りかかった女性が理性的かつ冷静に対処したことに多くの人が感動し、正しい救助の手本を示したと称賛されました。

　事故が発生したのは中国東部の浙江省台州市で、現地で大雪が降っていた1月22日夜のことでした。同市温嶺城南の交差点で、バイクに乗っていた男性が滑って転倒して、負傷したために起きられなくなる事故でした。すると車を運転して通りかかった一人の女性が急いで車を道端に止めて、男性の様子を見に歩み寄りました。男性は足を負傷して動けない状態でした。女性はすぐに救急車を呼び、男性の家族にも電話をかけました。

　女性は男性が落としたものを拾い集めて道端に運び、また、力を振り絞ってバイクを起こして、交通の障害になることを避けるために歩道にまで移動させました。女性は次に、道端に立って持っていた救命胴衣を振り回して通行車両に現場を避けるように注意し、また、自分が持っていた服を負傷者の足にかけて保温しました。女性は救急車が来るまで、雪よけのために傘をさして負傷者のそばにいて、男性の家族との連絡も保っていました。

　しばらくすると、別の親切な男性が車を止め、トランクから大きなマットを取り出して、女性と力を合わせて負傷者をマットの上にていねいに移し、交通を妨げないように力を合わせて負傷者を道端に運びました。

　救急車と警察が到着すると、皆が医療スタッフに協力して負傷者を救急車に乗せました。男性を助けた女性ともう一人の男性は、現場を離れました。

　その後、最初に負傷者を救助した女性がだれか分かりました。近くの小学校の呉玲麗副校長でした。呉副校長によると、その晩の出来事を思い出すと、少し怖くなるとのことです。呉副校長はさらに、「あの親切な男性のおかげで、二人で何とかして、二次事故を回避できた。何台かの車は、路上に人がいることに気づかずにぶつかりそうになったので、懸命に叫んだ」と説明しました。呉副校長は当時、6歳の息子を自分が運転する車に乗せていました。息子は救助の過程を見ていて、家に帰り着くと「お母さんは素晴らしい。私たちは一緒に人を救ったんだ！」と興奮して叫んだとのことです。（Mou、鈴木）