受講者と会話できる「AI教師」に注目=中国

2024-01-30 12:24:49  CRI

 中国では冬休みに入り、教育用・学習用商品の販売がかき入れ時を迎えました。最近の教育分野では、子供向け、成人向けを問わず、人工知能(AI)モデルをベースにした教育商品が次々に発表されています。これらは「AI教師」と呼ばれて注目を集めています。

 北京市にある成人向け教育企業では、AIを搭載したデジタルヒューマンが担当するカリキュラムが、サービス開始からわずか2カ月で15万人以上の受講者に利用されたことが明らかになりました。中でも、青少年を対象とした「AI教師」は学科の指導を行うだけでなく、生徒と対話することもでき、問題解決型学習を指導することもできるということです。


ショッピングモールで「AI教師」の商品を買い求める親子

 教育分野でのAIモデル活用がますます広がるのにつれ、教育業界でも競争モデルが従来の「教員の争奪、教育規模の競争」から、「テクノロジー競争」へとシフトしています。ある教育用製品メーカーで「AIスマート学習機製品」を担当するマネージャーの高慧湍氏によると、今後は大規模なモデルテクノロジーを生かして、受講者が実際の教師に習っているのと変わりない状態により近づけることが大きなトレンドだということです。例えば、「AI教師」が「子供の表情」や「学習段階」などのこれまでのデータを学習することで、それぞれの受講者向けにカスタマイズされた学習プランを提供できるようにすることなどです。

 ある研究報告では、中国の教育用スマートハードウェアの市場規模は2024年には1千億元(約2兆円)を超え、関連する製品とAI技術の融合が進むにつれ、消費者の購入意欲も向上し、「ハイエンド学習機」の類いが次第に業界の主導的地位を占めるようになると予測されています。

 AIモデルの教育分野での活用が広がるのに伴って、「今後はAI教師が本物の教師に取って代わるのではないか」との議論も巻き起こっています。中国IT産業発展研究院(賽迪研究院)未来産業研究センターの鐘新龍副研究員は、「教育の本質には人の感情、道徳、社会的価値観など多角的な要素が含まれ、これはまだAIでは再現できないことだ。AIは教師の強力な補完ツールとして利用されるべきで、教師に代わるものではない」と述べました。(ミン・イヒョウ、坂下)

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