14億人の祭典!春節に話したくなるおもしろ雑学

2024-01-30 14:07:15  CRI

 中国ではもうすぐ、14億人にとって一番の祝日――「春節」がやってきます。春節は日本のお正月に相当するもので、旧暦の新年を祝うことから「旧正月」とも呼ばれます。今年の春節(旧正月)は2月10日、そこから8日間にわたる「春節休み」に入ります。

 春節の歴史は古く、その始まりは年末年始に行われていた神や祖先を祭る祭祀(さいし)だとされていますが、その他にも春節の由来に関する民間伝承がいくつかあります。

 ここでは、その一つをご紹介しましょう。キーワードは「過年(过年:グオニェン)」という言葉。これは、「春節を過ごす」という意味で使われている言葉です。

 むかし、中国には「年(ネン/ニェン)」という名の怪物がいました。「年」は普段は海底に住んでいて、毎年旧暦の大晦日になると村に現れて人間を探し、食べてしまうとされていました。そのため、「年」が来るたびに、人々は山奥に逃げていました。

 ある時、村に物乞いの老人がやって来ました。なんとこの老人は「年を退治できる」と言い放ちます。それを聞いた村の人々は、老人に頼ることにしました。

 そして訪れた大晦日の夜、人を食おうと村にやって来た「年」は、村の様子がいつもと違うことに気づきました。民家に明かりがともっていて、入り口には大きな赤い紙が貼ってあります。「年」は恐る恐る民家に近づきました。すると突然、家の庭からバチバチという爆発音が聞こえ、入り口の扉が開いたと思うと、赤い衣を着た年寄りが大笑いしながら出てきました。「年」はびっくりして、咄嗟に逃げ出しました。

 それ以来、人々は「年を退治する」方法として、毎年旧暦の大晦日になると、爆竹を鳴らし、赤い紙を貼り、赤い衣類を身に着けるようになりました。これが春節の風習として代々伝わり、赤い紙はのちに福の字と春聯(紅色の紙に縁起の良い対句を書いた掛け物。家の入り口などに貼る)になりました。

 ❶中国では旧暦2月2日にヘアサロンが大繁盛!ってなんで?

 中国には、年間で最もヘアサロンが混雑する日があります。それは、旧暦の2月2日(今年は新暦では3月11日)です。この日は「龍擡頭(りゅうたいとう)」と呼ばれています。龍擡頭は伝統的な祭日で、かつては冬を越えて新たな一年の農作業を始める日とされていました。

 ところで、中国には「龍が頭をもたげないと雨が降らない」ということわざがあるのですが、龍擡頭とは、まさに「龍が頭をもたげる」という意味です。つまり龍擡頭は、畑仕事を始めるにあたって、恵みの雨と豊作を祈る日だったのです。

 では、どうしてこの日に散髪する習慣ができたのでしょうか。まず、近代になって龍擡頭は農業に限らず、「仕事始め」などをイメージする日になりました。また、「頭」という字には「初め」という意味があるため、「頭髪」を「切る」ことで、「いいスタートを切る」という験担ぎがされるようになりました。こうして、人々は春節期間中に散髪しないで、この龍擡頭を待って切る人が多いです。したがって、中国では旧暦2月2日の「龍擡頭」の日が、ヘアサロンが年間で最も繁盛する日となりました。

 ❷実家で過ごす以外にも 多様化する春節の過ごし方

 年越しといえば、中国では一家団らんで家で食事をするのが定番でした。しかし近年はレストランで食事をする家庭も増えています。また、春節の連休を家族そろって旅先で過ごすことも人気となっています。この時期はホテルの料金もグッと高くなりますが、それでも新年くらいは家族でぜいたくな時間を楽しもう、そんな消費意欲が、観光業の発展に大きく貢献しています。

 春節に人気の旅行先は多様化が進んでいます。南国のリゾート地・海南島でバカンスを楽しむ人もいれば、より冬らしさを楽しむために、雪と氷の世界を求めて東北のハルビン市を訪れる人もいます。もちろん、人気の都市である上海や広州、アモイでグルメや文化を楽しむという人もいます。また、コロナ禍が収束したことで、海外旅行の人気も再び高まっています。

 中国の春節は、家族の絆をつなぐ伝統でありながら、経済の活性化を支える祭典へと変わりつつあります。 

 ❸龍が三つで何の字? 中国人も読めなかった辰年の漢字

 中国には、旧暦の大みそかに欠かせない年越し番組「春晩(春節の夕べ)」があります。この番組のメインロゴは毎年の干支に合わせたものになっているのですが、辰年である今年のロゴは大きな話題を呼びました。上にある画像がそのロゴですが、龍の字が三つ合わさった漢字が使われています。

 「dá(ダー)」という読み方が添えてあることからも分かるように、これは中国人にも読めない激ムズ漢字。「こんな字、本当に存在するの?」というコメントが多く寄せられるほど珍しい字ですが、ちゃんと昔から存在していている字で、543年に成立した楷書字典「玉篇」にも記載されていました。「龍が飛び上がる様子」を意味する字で、このロゴには、龍の飛翔になぞらえて「中華14億の人々が力を発揮し、上昇志向にあふれる姿を描き出せるように」という願いが込められています。

 このロゴをきっかけに、中国では今、同じ漢字を重ねた漢字探しがちょっとしたブームになっています。馬が3頭、犬が3頭、魚が3匹……漢字を三つ重ねた、中国人にも難しい面白漢字を、このページの動画でご紹介しています。 

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