今から5万3000年前!チベット高原の有史以前の洞窟遺跡で新たな発見=中国

2024-01-23 11:48:02  CRI

 チベット自治区文物保護研究所と中国科学院古脊椎動物・古人類研究所から成る梅竜達普洞窟遺跡発掘調査チームが22日に明らかにしたところによると、6年連続の考古学発掘調査を経て、梅竜達普1号と2号洞窟から、石製品、骨製品、陶器片、青銅器、動物の骨、植物の残骸などを含む旧石器時代から初期金属時代の各種文化遺物が1万点以上出土しています。


1号洞の岩絵


第1期遺構(今から5万3000年前)の石製品

 チベット自治区ガリ地区(阿里地区)ゲギェ県(革吉県)で発掘された梅竜達普洞窟遺跡は、標高4700メートルで、チベット高原の奥地で発見された初の有史以前の洞窟遺跡であり、世界で最も標高が高い先史時代の超大型洞窟遺跡としても知られています。考古学者は、遺構は今から5万3000年前のものと推測しています。

 梅竜達普洞窟はゲギェ県から南へ約30キロの場所に位置し、獅泉河という川の上流左岸の石灰岩の山肌にあり、洞窟入り口は獅泉河の水面より104メートル高い位置にあります。「梅竜達普」はチベット語で「腰の鏡」を意味し、独立した三つの洞窟が横に並んでいます。1号洞窟の面積は1000平方メートルを超え、2号は約60平方メートル、3号は約25平方メートルです。

 1号洞窟で発見された石製品に用いられている技法の特徴から、遺構は今から5万3000年~8万年前のものと推測されています。これまではチベットのナクチュ市(那曲市)シェンザ県(申扎県)で発見された旧石器時代の尼阿底遺跡で、古代人類が今から約3万~4万年前にチベット高原の中心部に足を踏み入れていたことが裏付けられていましたが、梅竜達普洞窟での新発見は、旧石器時代の人類がチベット高原に入植した時期がそれより早かったことを示す重要な証拠を提供したものとされています。(ミン・イヒョウ、坂下)

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