中国広州の89歳女性 病院ロビーでピアノのボランティア演奏を披露

2024-01-22 10:46:10  CRI

 中国南部の広東省広州市に住む89歳女性の鄔品賢(ウー・ヒンケン)さんは昨年8月から、市内の総合病院の受付のロビーでほぼ毎週木曜日の午前、ピアノの演奏を披露しています。美しい音色が、病院を訪れる人々の心を和ませています。

△病院のロビーでピアノのボランティア演奏を披露する鄔品賢さん

 鄔さんは木曜日の午前9時にはチェック柄の帽子をかぶってビアノに向き合って座っていました。中国人ならば誰もが歌える『私と私の祖国』という曲が響き渡ると、慌ただしく歩いていた多くの患者や付添人が思わず足を止めて聴き入りました。

 病院を訪れていた広州市民の一人は、「母親が入院していて、月に2、3度は病院に来ています。時間があれば鄔さんの演奏を聞きに来て、うっとうしい気分を晴らしています」と話しました。

 鄔さんは広州出身で、幼い頃から音楽が好きでした。女子師範学校に通っていた時にピアノに出会って、練習を始めました。卒業後の仕事はピアノとは関係なかったのですが、音楽への愛情は冷めず、定年退職後にはシニアスクールに入って二胡を練習するようになりました。昨年には高齢者マンションに入居したのですが、近くにあるこの病院がピアノ演奏のボランティアを募集していることを知り、応募しました。

 患者の王さんは、「私は歌が大好きで、よく彼女が弾いた曲に合わせて歌っています。楽しいです」と話しました。

 王さんと同じように、病院を訪れる患者やその家族の多くがピアノの音に合わせて思わず歌い始めます。鄔さんの大ファンになった人もいるほどです。子どもがピアノの音に引きつけられて近寄ってくることもあります。そこで鄔さんは、小学校の音楽の教科書を手に入れて、子どもの歌の演奏を練習しました。そしてピアノを弾きながら子供らと交流するようになりました。ピアノの弾き方を教えることもあります。

 このように素敵な音楽で人々の心にぬくもりを与えている鄔さんですが、昨年12月末には夫が他界したことで大きなショックを受けました。鄔さんは「生活はまだ続きます。病院でボランティアをすることで若い頃のことを思い出せるだけでなく、人々の心を和ませることができ、まさに一石二鳥です」と話し、今後もいっそう精進して、皆さんにもっとよい演奏をお届けしたいと意気込んでいました。(ZHL、鈴木)


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