北京
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中国南西部の貴州省文物考古研究所、中国科学院古脊椎動物・古人類研究所はこのほど、最新の研究成果として、貴州省の穿洞遺跡における発掘調査の結果を発表しました。
穿洞遺跡は貴州省安順市中心部から北に26キロ離れた同市普定県の郊外にあり、発掘済みの地層の下から新たな遺跡の層が発見されたのことです。新たに調査された遺跡の年代は旧石器時代の中期末から後期、新石器時代に及んでおり、普定地区の古い人類の活動史が5万5000年前にさかのぼることが明らかになりました。
発掘現場
この発見は、貴州地域の人類活動史を補充するだけでなく、約5万5000年前の「穿洞人」を再認識し、貴州高原の旧石器時代中期と後期の文化とその分布、現代人の起源、中国南西部での早い時期における人類の適応戦略の転換、先史時代の文化交流などの学術問題を探求する上で重要な意義があります。
発掘面積は40平方メートルで、出土品がある遺跡層の厚さは6メートルを超え、石器1万点余り、骨・角製品2500点余り、動物の骨10万点余りが見つかりました。同遺跡は現在のところ、中国ひいては東アジア全体で、出土した磨製骨器の数が最も多く、種類が最も豊富であり、中国の先史時代の磨製骨器の起源や技術の特徴、時空分布の枠組みの探索、さらに東南アジアや欧州、アフリカの同類の考古学出土品との比較研究に極めて系統的で全面的な材料が提供されました。
フォークの形の骨器
遺跡ではそのほかにも、旧石器時代末期から新石器時代初期への移行段階にある墓3基が発見され、未成年の下顎骨2点と成人の頭蓋骨1点、副葬骨器2点、骨製釣り針1点が出土し、同地域の先史時代の人類の身体の特徴および埋葬慣習の研究の重要な資料が得られました。さらに今から1万年ほど前の「二次葬」の発見により、中国南部での埋葬の変遷の研究にも重要な手がかりを得ることができました。二次葬とは原始社会に普及していた、死者の骨を2回以上埋葬することで、多くは場所を変えて埋葬することが顕著な特徴です。
ホモ・サピエンスの臼歯の化石
また、遺跡の第11層からはホモ・サピエンスの臼歯の化石1点が発見されました。年代は5~6万年前と推定され、この発見により貴州地域の過去の古い人類研究の空白期間が埋められました。
穿洞遺跡は1978年に発見され、1979年に試掘が行われ、1981年と1982年と2回の考古学調査が行われていました。当時の調査では石器や骨器、動物の化石と人の化石が1万点以上、骨角器が1000点以上、人類の完全な頭蓋骨が2点出土し、当時としては中国で唯一で、世界でも珍しかった、磨製骨器が最も多く出土しました。貴州省文物考古研究所、中国科学院古脊椎動物・古人類研究所は2022年に、40年ぶりとなる3回目の考古学発掘調査を共同で実施しました。(ヒガシ、鈴木)
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