西安で考古学上の新発見 十六国北朝隋唐の墓285基を確認

2024-01-12 12:50:48  CRI

 西安市文物保護考古研究院が9日に明らかにしたところによると、同院は2021年から現在まで、陝西省西咸新区空港新城北城村墓地で、墓地を囲む溝1カ所の考古学発掘調査を行っており、溝の内側で285基の墓を確認しました。今回の発見は十六国北朝・隋・唐時代の独立した墓地としては、これまでで最大規模のものです。時期的には、戦国時代・秦以降の独立陵園制度と北朝・隋・唐の家族墓地制度の間に位置しており、中国古代の墓制発展史において極めて重要な意義があるということです。

陝西省・北城村墓地から出土した人型の土偶

 北城村墓地は陝西省西咸新区空港新城北杜街道北城村に位置しており、墓は計画的に整然と並び、墓道はいずれも東を向いています。中でも、墓地の北東部で東西方向に4列に並んだ38基の十六国時代(304~439)の墓は、近年、関中地区(陝西省秦嶺北麓にある平野地区)で発見された十六国墓地の中で最も墓が集中しているものです。今回の発見は、同地域での十六国の墓の等級や埋葬制度の研究に重要な資料を提供するものです。

 考古学者はこの墓地の発掘調査でもっとも重視している点として、それぞれの時期の墓がいずれも東を向いており、しかも十六国時代の初めから唐の貞観年間(627~649)までの300年余りにわたってそれが守られ続けてきたことです。強い独自性と安定性がみられる一方、墓の作り方や副葬品には徐々に変化が見られることから、埋葬された人たちの所属集団が自民族の葬送習慣の伝統を粘り強く守りながら、中原の漢文化を学習し、吸収し続けてきた傾向が反映されていることで、この墓地での発掘調査は、十六国北朝時代から隋や唐までの300年あまりの間の北方の複雑な歴史を背景とした長安地区の住民構成、文化の融合過程などの研究にとっても重要な啓示を与え、多様なものを幅広く受け入れ、それらが融合して多元的一体を作り出すという中華文明の特徴がしっかり体現されている発見だと考えています。(Yan、坂下)

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