中国の科学チーム 液体ヘリウムを用いない極低温実現で大きな飛躍

2024-01-11 13:45:59  CRI

 中国科学院大学の蘇剛教授らによる共同研究チームは最近になり、長年の研究を通じて、液体ヘリウムを用いずに極低温を達成する基礎研究で重要な飛躍を達成しました。中国のヘリウム資源不足の問題の解決策が提供されたことになります。同研究成果は11日付の国際学術誌「ネイチャー」に掲載されました。

 スタッフはこの研究で、コバルト基の三角格子量子磁性体の中で、「量子スピンの超固体状態」という珍しい物質の状態を発見し、その存在に実験による証拠を提供しました。スタッフはその後、この素材を利用して、断熱消磁過程を通じて94ミリケルビン(セ氏氷点下273.056度)の極低温を達成し、液体ヘリウムを用いない極低温状態を実現しました。

 チームは今後の目標として極低温の限界を更新し続け、液体ヘリウムを用いない極低温冷凍機を作ることを掲げています。極低温冷凍機は、超伝導量子コンピュータに絶対零度(0ケルビン)に近い極低温の作動環境を提供することで、物性物理学、材料工学、深宇宙探査などの最先端技術分野で広く応用されています。(Mou、鈴木)

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