中国内蒙古の大草原で育った「国の子ども」が65年後に95歳の父と再会

2024-01-09 14:04:12  CRI

65年ぶりに父と再会する韓愛栄さん(左側)

 このほど、中国北部内蒙古自治区のシリンゴル盟(錫林郭勒盟)公安局と中国南部浙江省の公安庁が共同で行ったDNAデータ分析で、「国の子供」の一人である韓愛栄さんが実の父親を探し当てることに成功しました。韓愛栄さんは11月18日、内蒙古自治区から江蘇省に行き、95歳の父親と再会を果たしました。

 1950年代末から1960年代の初めにかけて、中国南方のいくつかの省と市から3000人以上の孤児が内蒙古自治区の大草原に送られ、現地の人々に育てられて成長してきました。これは中国の歴史上、「3000人の孤児が内蒙古に入った」というストーリです。これらの3000人は親しみを込めて「国の子ども」と呼ばれており、韓愛栄さんはそのうちの一人です。

 当時、これらの子供たちは内蒙古自治区に到着後、一時的に臨時の孤児院に送られて集中的に育てられ、北方地域の環境に慣れ、体調が良くなってから養子縁組家庭に送られました。草原の母親たちは広大な内蒙古の大草原で、地域を超え、血縁を超えた大きな愛とぬくもりで、3000人の孤児の命を救いました。

 養母は韓愛栄さんが成長してから、韓愛栄さんに養子縁組の経緯を伝え、彼女は2006年から、「国の子ども」たちの一部と一緒に、実の親探しを始めました。2021年、全国の公安機関が綿密な「家族再会」活動を行い、韓愛栄さんはシリンゴル盟の公安機関を訪ねて応援を求めました。警察官が彼女の血液サンプルを採取して検査と鑑定を行い、その遺伝子関連のデータを分析してデータベースに登録しました。2023年8月、当時同じく肉親捜しをしていた呉南生さん一家は、親探しボランティアチームの支援を受けて江蘇省宜興市で血液サンプルを採取し、遺伝子データを分析してデータベースに登録しました。その後間もなく、遺伝子の照合が成功したという情報が伝えられました。

 まさにその遺伝子照合が、韓愛栄さんと肉親との再会につながったのです。韓愛栄さんは「95歳になった父に会うことができてとっても嬉しいです」と涙ながらに語りました。「父をお風呂に入れてあげて、食事を作ってあげます。それで私の念願も叶います。できるだけ頻繁に戻ってきたいのです」と語りました。(任春生、坂下)

ラジオ番組
KANKAN特集