交通警察の励ましがけがした運転手に生きる勇気を

　今年最初の勤務日である2日、昨年交通事故に遭ったトラック運転手の王さんは家族を連れて中国東部・浙江省の温州高速道路交通警察大隊を訪れ、自身を救ってくれた警察官の金凱さんにお礼を述べました。

△交通事故の救助の様子

　2023年9月11日未明、王さんが運転していたトラックは浙江省の寧波と広東省の東莞を結ぶ甬莞高速道路の銭庫区間を通過した際に交通事故が発生し、王さんは車内に閉じ込められてしまいました。通報を受けた高速道路パトロール担当の金さんが直ちに隊員と共に現場に向かいました。トラックの先端部分がひどく押しつぶされて変形し、運転手の王さんは血まみれになっていました。金さんはすぐに隊員を手配して通行車への警戒の提示をおこなうとともに、運転手の救助に当たり、トラックのフロントガラスを素手で壊すと同時に、窓を力強くたたいて、「運転手さん、分かりますか。寝ないでね、寝ないで！」と大声で呼び掛けました。

　胸と足が車のフレームに圧迫され、意識がもうろうとしていた王さんは、金さんの大きな呼び声に反応しました。「しっかりして、あなたはできる！私の膝を踏んで、こうすると少し楽になりますよ」。救援の過程で金さんはずっと王さんを持ち上げ、自分の体に載せて圧迫感を和らげるとともに、なるべくスペースを開けて王さんが自由に呼吸できるようにしていました。

　その間、王さんは「私はもう出られないのか。もうこれで死ぬか」と涙を流してか弱い声で聞きながら金さんに手を伸ばしていました。金さんはすぐに王さんの手をぎゅっと握りしめ、そして、「ここにいますよ。大丈夫だから。私の手を取って、必ず助けてあげるから」としっかり伝えました。

　多方面による共同努力の結果、王さんは無事救出され、病院に運ばれ治療を受けました。肋骨（ろっこつ）14本と大腿骨が折れましたが、搬送が間に合ったため、幸い命が助かりました。現場の救助映像がネットにアップされると、運転手と交通警察の会話は多くの人を感動させました。（ZHL、野谷）