中国初の海底を貫通する陸上ケーブル工事が施工最終段階に入る

2024-01-04 17:12:20  CRI

 陸上ケーブルが海底を貫通する国内初の工事が4日、施工の最終段階を迎えています。この10キロボルトの陸上ケーブルは浙江省舟山群島の本島から園山島までの、全長1キロメートルです。

 舟山群島は海域が広く、島が多いため、海底ケーブルは島と島の間に電力を供給する重要なツールです。しかし、海上輸送や海での漁など、海上での作業量が急速に増えるのに伴って、この海域を行き来する船舶が増え、船舶が停泊する際にいかりが海底ケーブルを引っかけて傷つけることもしばしばです。いったんケーブルが損傷すると、気候や潮流などの影響で、損傷したケーブルを引き揚げて故障箇所を点検し、修理することは極めて困難です。

 国家電網有限公司(会社)では陸上ケーブルを海底を貫通させるという革新的な方法でこの難題を解決します。まずシールドマシンを使って海底に深さ7メートル、幅1メートルの通路を掘削し、そこにケーブルを埋設してケーブルがいかりで傷つくリスクを解消します。陸上ケーブルは製造コストが低く、施工コストは同じ距離なら海底ケーブルの半分にすぎないということです。

 海底の地質環境は複雑なため、施工関係者はワイヤロープで牽引する方法でケーブルに「外骨格」を取り付け、パイプ潤滑材を使って摩擦係数を下げ、ケーブルが牽引中に傷つかないよう十分に保障します。

 今後、「陸上ケーブルを海底を貫通させる」形でのエネルギー伝送方法は、相互の距離が2キロメートル以内の短中距離の島と島の間で広範囲に使用されます。さらに、施工技術の向上に伴い、中長距離の島と島の間のケーブルネットワークも構築される予定です。(任春生、坂下)

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