吉林省・チャガーン湖が1000年続く「冬の漁」の最盛期に

2023-12-28 13:26:59  CRI

 チャガーン湖(査干湖)は中国東北部の吉林省松原市前郭爾羅斯(前ゴルロス)モンゴル族自治県にある湖です。「チャガーン」は、中国55の少数民族の一つのモンゴル族の言葉で「白 い」の意で、「神聖で清純な湖」という考えが込められています。吉林省の漁業生産基地であるこの湖は、氷面面積が506.84平方キロに達し、コクレンやコイ、ソウギョ、フナなど68種類の魚が捕れます。この湖では独特の生態と地理環境により、古くから「氷に穴を開けて魚を捕る」漁法が行われています。チャガーン湖では毎年12月中旬には冬の漁の「黄金期」に入ります。

 チャガーン湖の冬の漁は、中国史上の遼代(西暦916~1125年)から金代(西暦1115~1234年)に始まり、1000年以上も続いてきました。人手で氷に穴を開け、氷の下に網を張り、馬で網を引くという古い漁法が代々受け継がれてきたわけです。冬の漁のチームがどれだけ収穫できるのかは、「漁のバートル」の判断に左右されます。「バートル」とは、蒙古語で「英雄」の意です。「漁のバートル」とは漁獲の英雄であり、「冬の漁」のリーダーです。経験の豊かな「漁のバートル」は氷面を観察して魚の群れの位置を判断し、どこに網を張るかを決めます。現地では、1回で50トン以上を収獲した漁網は「赤い網」と呼ばれますが、「赤い網」を達成することは実に困難です。

 辛継竜さんは冬の漁の第3チームの若い「漁のバートル」で、チャガーン湖の22代目の「漁のバートル」でもあります。辛さんが率いるチームは50人余りで、チームはいつも気温が氷点下20度の朝の6時半に出発します。辛さんは冬の漁の要領について、「氷に伏せて、氷の厚さや氷層内の泡、氷の透明度など多方面から判断する。大きな魚の群れがいると、このような気泡が出る」と、ちょっとだけコツを明かしてくれました。辛さんは代々厳守してきた「鉄の原則」を特に強調しました。「チャガーン湖の冬の漁では毎年、網目が20センチの漁網を使う。小さな魚は網から簡単に逃げることができる。また、私たちは毎年、50万キロの稚魚を湖に放している。チャガーン湖では『猟殺不絶』、すなわち漁はするが根絶やしにしてはならないとされており、この道理が『漁のバートル』が代々受け継いできた掟だ」と教えてくれました。(藍、鈴木)

 

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