墨子スカイサーベイ望遠鏡 運用開始後100日で画像1万6500点取得

2023-12-27 13:24:10  CRI

 中国科学技術大学と中国科学院紫金山天文台が共同開発した墨子スカイサーベイ望遠鏡は9月17日の正式運用開始から102日が経過し、これまでに取得した画像は1万6500点に達したとのことです。

墨子スカイサーベイ望遠鏡の主鏡

  宇宙には激しく活動する天体が存在し、これらの天体は物理学の重要課題の研究における「天然の実験室」とされています。天空の同一の領域を繰り返し観測して、明るさや位置が時間とともに変化する天体を見つけ出すことを「 時間領域サーベイ」と言います。墨子スカイサーベイ望遠鏡は現在のところ世界最高性能の光学的時間領域サーベイ装置であり、鏡面を補正する54の能動支持装置が取り付けられています。これらの支持装置は鏡面の形状に応じて力の大きさをただちに変更します。それぞれの写真で鏡面の形状を補正するのですが、サッカーコート1面分の大きさの平面で、起伏を髪の毛1本の太さ以下に調整できます。墨子スカイサーベイ望遠鏡は3晩で北の天球全体を走査して観測できるとのことです。

 墨子スカイサーベイ望遠鏡は運用を開始して以来、ブラックホールが恒星を引き裂く「潮汐破壊現象」やガンマ線バースト、変光星や小惑星の観測などの分野で一連の成果を達成し、6万個以上の小惑星の位置観測データ20万件も取得して、地球近傍小惑星4個を新たに発見しました。

 墨子スカイサーベイ望遠鏡の所在地である中国北西部の冷湖天文基地は、空気が乾燥しており、晴天が多い気象条件です。毎日の日照時間は10時間近くで、天体観測に使える日は年間で300日に達するとのことです。(Yan、鈴木)

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